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レーヴァティン

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第二百四十話 運河の街でその三

「寝ることもな」
「忘れない」
「しっかりと寝ることですね」
「戦のない間は」
「そうだよ、遊んでもな」
 そうしてもというのだ。
「それでもな」
「寝ることも忘れるな」
「左様ですね」
「さもないと、ですね」
「よくないですね」
「人は寝ないとだよ」
 このことも忘れてはいけないというのだ、久志は紅茶を飲みながら周りの者達に対してこのことも言うのだった。
「後でくるしな」
「それはそうですね」
「疲れが溜まりますね」
「身体にも心にも」
「だからですね」
「よく寝ることも大事ですね」
「俺の世界だとな」
 久志は眉を曇らせて話した。
「漫画家って仕事あるんだよ」
「絵に言葉をつけてですね」
「多くの絵を描いてそれを売る」
「そうして暮らしている人達ですね」
「陛下の起きられた世界ではそうした人達もいますね」
「売れっ子になると忙しくてな」
 そうなってというのだ。
「不眠不休で仕事してな」
「体調を崩す」
「そうした人も出ているのですか」
「そうなのですか」
「早死にした人もいるんだよ」
 眠らず仕事をしてというのだ。
「幾ら何でも三日連続徹夜とかないだろ」
「それで仕事をしては」
「幾ら何でも無茶ですね」
「我々が聞いてもそうです」
「働き過ぎです」
「俺も忙しいけれどな」
 久志はこの世界の自分の話もした。
「けれどな」
「それでもですね」
「毎日しっかり眠られていますね」
「そうされていますね」
「完全な徹夜なんてな」
 どれだけ忙しくともというのだ。
「しないさ」
「左様ですね」
「少しでも眠られていますね」
「そうされていますね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「英気を養ってるさ」
「左様ですね」
「その様にされていますね」
「陛下にしても」
「完全な徹夜はされず」
「まして三日連続なぞ」
「それやった漫画家さん本当にな」
 実際にというのだ。 
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