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レーヴァティン

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第二百三十九話 北への集結その十三

「降った村は受け入れてな」
「降らなかった村を攻める」
「そうしますね」
「ああ、幸い拠点はしっかりしてる」
 今自分達がいるこのペテルブルグはというのだ、極寒の地にあるがそれでも街の規模はかなりのもので運河が所々に走り交通の便もいい。
「ここからな」
「攻める」
「そうしますね」
「我々は」
「そうするからな」
 だからだというのだ。
「攻めるにしても補給は大丈夫だ」
「ですね、それなら」
「まずは全部の村に使者を送る」
「それで橇も用意したんですね」
「数多く」
「橇でないとな」 
 久志はこちらの話もした。
「この辺りはどうしようもないだろ」
「雪と氷ですから」
「馬に乗るよりもです」
「スキーかそれです」
「さもないと動きにくいです」
「補給にも使うしな」 
 橇はだ、馬車では雪に足を取られ氷で滑って進みにくい。それでそうしたものの為にある橇を使うのである。
「だからな」
「はい、それでは」
「使者は橇で進ませて」
「そうしてカレリアの全ての村に帝国に入る様に言う」
「そうしますね」
「カレリアにもバイキングはいるんだ」
 この世界ではそうであるのだ、北の半島全土と島々全てが彼等の領域なのだ。
「だからな」
「そのバイキング達をまずそうして帝国に入れる」
「それで降る者がいれば受け入れて」
「そうでない村に軍を送り」
「現地の者の案内も受けますね」
「そうしますね」
「ああ、急ぎはしないさ」
 攻めるにあたってというのだ。
「そうしてな」
「慎重に、ですね」
「攻めていって」
「そうして掌握していきますね」
「そうしていくな、あとこの街にいる時も暖かくしておけよ」
 兵達にこうも命じた。
「いいな」
「寒いからですね」
「そうして体調を整える」
「そうしないと駄目ですね」
「風邪なんかひくなよ」
 身体を冷やしてというのだ。
「絶対にな」
「風邪もひかないことですね」
「他の病気を併せて」
「そうしないと駄目ですね」
「ああ」  
 こう言ってだった。
 久志はまずは四万の兵をペテログラードに入れてそこから戦の用意をしカレリアの各地に使者を送った、そのうえで兵達に暖かくし他のことにも気をつける様に言うのだった。


第二百三十九話   完


                2021・12・23 
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