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レーヴァティン

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第二百三十八話 北に集結その二

「天皇陛下は皇帝であられるな」
「そうなんだよな、あの方は」
 久志もその通りだと答えた。
「だからな」
「王を任じられるな」
「内親王殿下とも言うしな」
 女性の皇室の方である、親王が男性の方であり内親王が女性の方である。
「王もおられたしな」
「長屋王もそうだな」
「そうだよな」
「日本もそうだ、むしろだ」
 正はさらに話した。
「俺達が起きた世界では日本だけがだ」
「皇帝だな」
「天皇陛下がおられてな」
「今はそうなった」
「一次大戦から各国の皇室がなくなっていった」
「そうなった」
 一次大戦が終わりドイツ、ロシア、オーストリア=ハンガリー、トルコの四つの帝国がなくなった。そして一九八〇年代にイランもそうなっていてその前にエチオピアもその古い帝国が終わっている。
「中には僭主も出たが」
「ボカサ一世とかいったな」
「中央アフリカのね」
「あの人も皇帝を名乗ったな」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「そのボカサ一世もだ」
「倒れたな」
「失脚した、そして今はだ」
「日本だけだな」
「皇室を戴いてな」
 そうしてというのだ。
「皇帝もそうである国はな」
「そうなっているな」
「それだけに重要だ」
「日本にとってな」
「皇帝は王の上に立ち」
「王を任じられるな」
「ドイツ皇帝は多くの王の上に立っていた」
 三十五の君主達の上に立っていたのだ。
「そういうことだ」
「そうだよな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「日本もだ」
「これからもな」
「皇室を大事にしてな」
「天皇陛下の存在を忘れてはならない」
「そうだよな」
「そしてこの浮島だとね」
 淳二が言ってきた。
「おいら達はね」
「帝国でな」
「君が皇帝なんだよ」
「そうだよな」
「帝国を選んでよかったね」
「統治から見てな」
「それにだよ」
 淳二はさらに話した。
「皇帝は複数の民族と宗教を収めてね」
「その文明を治める者ってされるな」
「そう、王だとね」
「一つの民族と宗教でな」
「文明の中にね」 
「何人いてもいいな」
「そう、文化についてもね」 
 淳二はこちらのことも話した。
「そちらもね」
「王様だと何人いてもいいな」
「けれど皇帝は複数の文化もね」
「治めるってなるな」
「そう、同じ君主でも」
 それでもというのだ。 
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