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実はアニメでだけ

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第一章

                実はアニメでだけ
 女子大生の高木夏織は交際相手の笠原福嗣と同棲している、彼はサラリーマンで二つ上で合コンで知り合ってからそうしている。
 夏織は太く黒い眉と気の強そうな男性的な目にピンクの唇と白い肌に顎と頬がすっきりした面長の顔に長くしてセットした黒髪を持っている。一五五位の背で胸はあり腰もくびれ足のラインも実に奇麗だ。
 福嗣は一八〇を超える背に太った身体に短くした黒髪に眼鏡をかけていて顔は丸めだ。中学から今まで柔道をしていて五段である。
 二人は夏織が卒業すれば結婚するつもりだ、それぞれの外見よりも性格が好きになって交際している。
 その中で夏織は会社から帰った福嗣に一緒に晩ご飯を食べつつ話した、メニューは野菜炒めと卵ともやしのスープに鰯の丸干しである。
「ねえ、私ネットでグラゼニ買ったの」
「あの野球漫画?」
「ええ、それで今読んでるけれど」
「あの漫画面白いよね」
 福嗣は鰯を食べつつ応えた。
「僕も好きだよ」
「じゃあ読むわね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「主人公一時期巨人がモデルのチームに行くよね」
「そうそう、そこからパリーグに行くのよね」
「僕巨人嫌いだから」
 福嗣はそこは嫌そうに話した。
「その時は読んでもね」
「あまり好きじゃないのね」
「どうもね」
「私は楽天ファンだから」
「じゃあパリーグの時がだね」
「一番好きよ、ただね」
 夏織はスープを飲みながら話した、コンソメである。尚料理は全部彼女が大学から帰ってスーパーで食材を買って作ったものだ。
「昔はプロ野球の漫画で主人公のチームって」
「水島先生は違ったけれどね」
「巨人ばかりだったわね」
「そうそう、アンチには嫌だよね」
「ちかいの魔球でも黒い秘密兵器それにリトル巨人くんでもね」
「全部巨人でね」
「北朝鮮みたいだったわね」 
 夏織はこうまで言った。
「主人公のチームは全部巨人で」
「本当にね」
「嫌なものだったわね」
「そうだね、特に巨人の星ね」
「まさに巨人だったね」
「侍ジャアンツとかもあったけれど」
 原作者は同じである。
「巨人ばかりで」
「嫌だったね」
「そう思うと水島先生は素晴らしいわ」
「そうだね、主人公のチームはホークスかね」
「阪神でね」
「架空の球団でもね」
 それでもだったのだ。
「野球狂の詩とかストッパーとかでも相手は」
「半分位阪神だったわね」
「それがよかったよ」
「そうよね、それでだけれど」 
 夏織は食べつつさらに話した。
「巨人の星であのお父さんがちゃぶ台ひっくり返すわね」
「あんなことしたら駄目だよ」 
 福嗣は即座に答えた。
「僕絶対にしないよね」
「ええ、しないわ」
「あんなことをしたら」
 それこそとだ、福嗣は怒った顔で夏織に話した。彼が怒ることは滅多にないが今はそうした顔になっている。
「食べものを粗末にするなんて」
「最低の行いね」
「つくづく思ったよ」
「あの人色々最低な父親だけれど」
「子供いじめてるだけだからね」 
 自分の息子をだ。 
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