| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十三話 後始末を進めその十一

「決してな」
「そうっちゃな」
「この浮島の狼は小さい」
「ニホンオオカミっちゃな」
「あの狼は森にいてだ」
 そうした種類の狼でというのだ。
「小型で森の中の獣を食う」
「田畑を荒らす連中をっちゃ」
「牧畜の牛や羊に来るならな」
「番犬を置くっちゃ」
「そうすればいいからな」 
 それで済むというのだ。
「別にいい」
「狼については」
「むしろ熊や魔物がな」
 狼よりもというのだ。
「問題だ」
「そうっちゃな」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「実際に狼の害よりもな」
「熊や魔物が多いっちゃ」
「しかも熊も実はほぼない」
 牧畜への害はというのだ。
「この浮島は熊も小さいからな」
「蝦夷のは大きいっちゃが」
「他の島では小さい」
「ツキノワグマっちゃ」
「あの熊も熊だが」 
 それでもというのだ。
「小型の熊でだ」
「大人しいっちゃ」
「性格もな」
「そうっちゃからな」
「羆とは違う」
 蝦夷にいるこの熊とはというのだ。
「小さく大人しい」
「だから襲われることはあってもっちゃ」
「命を失うまではだ」
「まずないっちゃ」
「そのことが救いだ」
「そうっちゃな」
「だが狼より危険だからな」
 このことは事実でというのだ。
「対する様にしていこう」
「牧場に近寄らせないっちゃ」
「そうしていく、番犬を置いてな」
 それぞれの牧場にというのだ。
「近寄らせない、そして近寄っても」
「対することが出来る様にしていくっちゃ」
「そうしていく」
 牧場を守る為にというのだ。
「その様にな」
「わかったっちゃよ」
「では戦の後始末とそうした政をさらに続けていく」
 英雄はこう言って政を続けていった、奥羽に留まりそのうえでそれをしていった。すべきことはまだあった。


第二百三十三話   完


                  2021・11・8 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧