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レーヴァティン

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第二百三十二話 北の端までその十一

「だからな」
「それで、ですね」
「あの者達をそれぞれの領地に戻し」
「銭をかからない様にする」
「そうしますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ことを進める」
「わかりました」
「ではその様にしましょう」
「軍勢の多くを戻し」
「そのうえで、ですね」
「政を行う」 
 戦の後始末のそれをというのだ。
「ではいいな」
「わかりました、では」
「その様にしましょう」
「これよりは」
「そうするとしよう」
 こう言ってだった。
 英雄は早速それにかかった、そうして。
 前線に出していた仲間達も一旦会津に呼んだ、そうして戦の詳しい展開を聞いた。そのうえでこう言った。
「俺は聞いていた通りだ」
「左様でござるか」
「そうだった、その通りで何よりだ」
 こう智に答えた。
「実にな」
「拙者達も事実を伝え」
「そしてだな」
「英雄殿がしかと見て聞いていたでござる」
「そういうことだな」
「はい、離れた場所にいても事実を知る」
 このことはとだ、智は英雄に話した。
「それもでござる」
「必要な資質だな」
「そうかと」
「そうだな、蕭何もそうだったしな」
 この度手本にしている人物の名も出した。
「後ろにいてもだ」
「戦全体を観て必要なことを行う」
「それも大事だ」
「棟梁ならばでござるな」
「ただ戦場で戦うだけでなくだ」
 そうでない場合はというのだ。
「しかとだ」
「後ろで、でござる」
「兵やものを送り」
 軍勢の状況に応じてというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、でござる」
「政も行う」
「それが大事でござる」
「その通りだな」
「それが出来ないとでござる」
「将軍としてどうか」
 まさにというのだ。
「そうなるな」
「そうかと」
「そうだった、俺もそう考えていてだ」
「会津においてでござるな」
「ことを進めていた」
 そこから奥羽全体を観てというのだ。
「そうしていたが」
「及第かと」
「そうであれば何よりだ、だが」
 英雄は智の言葉を受けてこうも言った。
「俺自身で及第と思っていてもな」
「主観と客観はちゃうからな」
 今度は耕平が応えた。 
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