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レーヴァティン

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第二百三十話 飢饉その三

「いい、銭は無駄には使わないが」
「それでもですね」
「使うべき時は使う」
「そうしなければならないからこそ」
「使う、今は銭より時だ」
 急がせるというのだ。
「だからな」
「機会も使い」
「そうしてですね」
「城を再建させる」
「そうなのですね」
「時は金なりとも言う」
 英雄はこの言葉も出した。
「使う時に使わなければその時を無駄に使いな」
「そうしてですか」
「銭を余計に使う」
「そうなるからこそ」
「今使えるだけだ」
 一気にというのだ。
「使う、その方がだ」
「使わずに済む」
「そうなりますね」
「銭は」
「だからな」
 今はというのだ。
「それでいいな」
「わかりました」
「それでは急がせましょう」
「機械も使って」
「そのうえで」
 それにより銭を使ってもとだ、幕臣達も応えた。
「多くの人手を用い」
「そしてそのうえで」
「城を再建させる」
「そうしますね」
「天守までな」 
 それまでというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「このままことを進めましょう」
「軍勢のことも」
「そして城のことも」
「全てな」
 こう言ってだった。
 英雄は実際に城の再建にも軍勢と同じく銭を惜しまなかった、その間に季節は春に近付いていってたが。
 雪はまだ深い、それで英雄は雪を見て言った。
「まだな」
「雪がありますね」
「深いですね」
「今も尚」
「春も近いというのに」
「奥羽だからな」
 それ故にとだ、彼は幕臣達に答えた。
「どうしてもな」
「春が近付いても」
「それでもですね」
「雪が残り」
「そうしてですね」
「何かと不自由だ」 
 そうした状況になるというのだ。
「寒いしな」
「ですね、ですが」
「それでもですね」
「ことは進めますね」
「そうしますね」
「動けるならな」
 それならばというのだ。
「可能な限りだ」
「動く」
「そうすべきであり」
「我々もですね」
「そうしますね」
「そういうことだ、そして動く為の備えもだ」
 それもというのだ。 
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