隠れ軍師
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第二章
「水瀬さんの言う通りだったわ」
「大阪本当に大雨だったわ」
「だから傘持って行ってよかったわ」
「コンビニで買えたけれど」
「傘買うのもお金かかるしね」
「折り畳み式持って行ってよかったわ」
「本当に有り難う」
「天気予報見ただけだから」
ここでもだ、由貴はこう言うだけだった。それも無表情で。
そして他にもクラスメイト達が何かしていたりしていようとしているとだ。
ぽつりと言った、そしてそれがだ。
いつも成功につながった、それでクラスメイト達は口々に言った。
「いや、水瀬さんの言うこと聞いたら」
「本当に為になるな」
「水瀬さんの助言聞いたら」
「こんなにいいなんて」
「いや、よかったわ」
「水瀬さんがいてくれて」
「私は何も」
だが由貴自身はこう言うだけだった、学園の制服の一つである青と白のクラシックなセーラー服が似合っている。
「ただ言ってるだけ」
「その言葉が凄くて」
「いつも的確だから」
「どんなことでも」
「いや、水瀬さんって凄いよ」
「言うことがいつも的確だから」
クラスメイト達は由貴のことをこう言ってだった。
今では頼りにしだした、そしてこうも言った。
「目立たないと思っていたけれど」
「これがね」
「困ってたら助けてくれて」
「助言してくれて」
「それが実際有り難いから」
「頼りになるわ」
「そうね、けれど」
クラスメイト達はこうも話した。
「何でそうなのか」
「成績がいいのはわかるけれど」
「どんなことでも正確に助言してくれるって」
「どうして出来るのかしら」
「そんなことが」
「本を読んでるから」
だからだとだ、由貴は答えた。
「色々な本を」
「ファッションの本とかも」
「それでなの」
「色々な本読んでるから」
「それで出来るの」
「特に」
由貴はさらに話した。
「ライトノベルとか漫画とか」
「そういうので知識得てるの」
「色々な知識を」
「そうなの」
「純文学の小説も読んでるわ」
そちらもというのだ。
「そうしたらなの。人の外見に似合う服もわかるし」
「ああ、キャラに似合う服装ね」
「漫画でそういうのわかるわね」
「この人はこのキャラみたいとか思えば」
「似合うファッションもわかるわね」
「あと毎日何か起こるか事前に少しチェックしたら」
そうすればというのだ。
「天気予報とかは」
「事前に用意も出来る」
「そういうことね」
「だからわかるのね」
「何かと」
「それと毎朝星座占いを見てるの」
こちらもしているというのだ。
「それで運勢もね」
「チェックしてるの」
「そうして何かとしていたら」
「色々わかるの」
「そうなの」
「それはわかったけれど」
それでもとだ、クラスメイト達は由貴にさらに言った。
「何でそこまでしてるの?」
「漫画や小説は趣味だからわかるし」
「成績いいのはちゃんとお勉強してるからで」
「そこまではわかるけれど」
「それでもね」
「天気予報や星座占いまでなんて」
「それは」
由貴はその問いにも答えた、それは何故かというと。
「お父さんが天気予報士でお母さんは占い師だから」
「えっ、そうだったの」
「水瀬さんのお父さんとお母さんそうだったの」
「お仕事それぞれそうだったの」
「だから」
それでというのだ、由貴はクラスメイト達に対していつもの無表情で淡々とした口調で話していった。
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