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レーヴァティン

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第二百二十七話 会津若松城その十三

「やってくぜよ」
「そういうことだな」
「罪悪感を感じてものう」
「圧し潰されては駄目だな」
「そうぜよ」
 こう言うのだった。
「戦になったら」
「もう、だな」
「それはぜよ」
 破壊はというのだ。
「当然のことぜよ」
「避けられないな」
「もうそれは承知のうえで」
「行うものだな」
「当然民のもんは手を出さない」
「それはだな」
「言うまでもないぜよ」
 最早というのだ。
「こうした惣構えの城なら仕方ないにしても」
「城の中にあるからな」
「西の浮島の城でもぜよ」
「あちらはな」
「惣構えと同じぜよ」 
 西の浮島の城はというのだ。
「というよりぜよ」
「惣構えの城自体がな」
「西の浮島の城を手本にしちょるのう」
「そうだな」
「あちらは城即ち街ぜよ」
 城塞都市である、西の浮島の城は全てこうだ。尚起きた世界では人類の城は大抵はイコール街である。日本の方が特殊と言えるだろうか。
「だからぜよ」
「戦になればだな」
「街にも被害が及ぶぜよ」
「そのことは避けられないな」
「そうぜよ、だからあちらでは城壁を壊し」
 このことに専念してというのだ。
「突入するぜよ」
「そうだな」
「そこでも民に手をかけんぜよ」
「実際にあいつ等もそうしているな」
 英雄は久志達のことも話した。
「そうだな」
「そうぜよ、そして」
「俺達はな」
「戦の前に民を逃がしたぜよ」
 城の外にというのだ。
「城主と話して」
「そうしたな」
「それは最善ぜよ、ただ」
「それでもか」
「家ば焼いてしもうた」
 このことは事実だというのだ。
「それならのう」
「建て直すべきだな」
「わし等がな」
「そうすることか」
「だからぜよ、戦が終われば」
「すぐに建て直しにかかるな」
「そして罪悪感もぜよ」
 これもというのだ。
「持つことはないぜよ」
「そうか、ではな」
「戦になれば壊すことを恐れずに」
「極力避けるがな」
「それでも必要に応じてそうしてぜよ」 
 それでというのだ。
「壊してもぜよ」
「罪悪感を抱かずにな」
「ことを進めるぜよ」
「そういうことだな、では」
「本丸を攻めてぜよ」
「戦を終わらせる」
 会津若松城のというのだ、こう言ってだった。
 英雄は本丸を囲みにかかった、そして城を完全に攻め落としにかかった。この城での戦はもうすぐ終わろうとしていた。


第二百二十七話   完


                2021・9・23 
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