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八条学園騒動記

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第六百三十四話 店じまいその二

「凄かった」
「実際にそうだったね」
「しかしな」
「彼だけじゃなかったんだね」
「サッカーは十一人でする」
 グラウンドでというのだ。
「そしてもっと言うとな」
「控え選手もいてね」
「そして監督も万全でな」
「本当に強いね」
「あの時のアルゼンチンチームは」 
 マラドーナがいて優勝した時はというのだ。
「まさにそうだった」
「他にも揃っていて」
「だから優勝出来た、幾らマラドーナがいてもな」
 後に神にさえなった彼がというのだ。
「一人で優勝出来るか」
「そうはいかないね」
「ワールドカップはそんな甘い大会か」
「違うね」
「今じゃ連合の三百以上の国でやるんだ」
 エウロパとは断交している、その為エウロパはエウロパでワールドカップを行っている。これはオリンピックでも同じだ。
「だったらな」
「一人では勝てないね」
「マラドーナ一人でどうにかなるか」
 それこそというのだ。
「優勝なんてな」
「出来ないね」
「とてもな」
 それこそというのだ。
「そんなに甘くない」
「現実はそうだね」
「そしてだ」
 マチアはさらに話した。
「あの時の優勝はな」
「他にも人が揃っていた」
「だからだ、アルゼンチンは何度もワールドカップを制覇しているが」 
 その強さは連合ではブラジルと双璧を為すとまで言われていて優勝の回数も競い合っている。今はブラジルの方が多いがだ。
「それが出来た時はな」
「人材が揃っている時だね」
「少しでも揃っていないとな」
 それこそというのだ。
「ブラジルに負けるか」
「他の国にもだね」
「負ける」
 そうなっているというのだ。
「だからな」
「それでだね」
「マラドーナだけで勝てるか、そしてミスが多いと」
「負けるね」
「マラドーナがミスしなくてもな」
 それでもというのだ。
「他の選手や監督がミスするとな」
「負けるね」
「そうだ、だから本当に強いチームはな」
「ミスしないね」
「逆に言うと目立った選手がいなくても」
「ミスをしないと」
「それならな」 
 こうマルコに話した。
「充分強い」
「当たり前のことを当たり前に出来る」
「それだけでな」
 例え突出した選手がいなくてもというのだ。
「強いものだ」
「それは言えるね」
「そして世の中もな」
「何もないとね」
「それが一番いい」
「平穏無事がね」
「戦争も災害もなくてな」
 そしてというのだ。
「ドキュンもいない」
「そうした社会こそがね」
「一番いい、平和こそがな」
「最高だね」
「だから平和に終わって」
 それでというのだ。 
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