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レーヴァティン

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第二百十九話 四国分裂その十二

「そんな奴等だからな」
「ナポレオンでもか」
「そしてナポレオンもな」
「使いこなせなくてな」
「だからだ」
「最後は裏切られてるな」
「そうなった、そんな奴等はな」
 それこそというのだ。
「誰にもだ」
「使いこなせないな」
「そう思う」
「それで俺もだよ」 
 久志もというのだ。
「連中はな」
「使いこなせないからか」
「若しいてもな」
「用いないな」
「下手に用いてもな」
 それでもというのだ。
「どうなるか」
「そうだよな」
「そしてあの爺さんもな」
「用いられないならか」
「そう思ったらだ」
「用いないことか」
「あの爺さんもな」
 今話している彼もというのだ。
「あの二人程でなくても」
「曲者だからな」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「あまりな」
「用いられないならか」
「振り回されたら終わりだ」
 家臣にというのだ。
「皇帝は全てを動かすものだ」
「統治するならな」
「それなら家臣に振り回されるなぞ」
 それこそというのだ。
「絶対にだ」
「あってはならないな」
「だからな」
「そうなのよね、皇帝はね」
 清音も言った。
「不動の立場だから」
「絶対にな」
「だからね」
「振り回されたらな」
「いけないわ」
「だからだな」
「ナポレオンも皇帝だったけれど」
 フランス皇帝である。
「けれどね」
「あの二人はか」
「結論から言うとね」
 それならというのだ。
「裏切られて足を引っ張られたから」
「使いこなせてないな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そう言うしかね」
「ないよな」
「だからあんたも」
「あの二人みたいな連中はな」
「無理だと思ったら」
 使いこなすことをだ。
「用いないことよ」
「やっぱりそれがいいな」
「使いこなせない人材はいない」 
 清音はこうも言った。
「皇帝にはね」
「そうでないといけないな」
「それが皇帝よ。自分より能力な上の相手でもね」
「使いこなさないとな」
「何なら」
「何なら?」
「その仕事は任せるのよ」
 こうしたやり方も存在するというのだ、政治全体をそうするのならばその人物を摂政にするやり方もある。 
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