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レーヴァティン

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第二百十七話 船の中でその六

「吐き気を催す位のね」
「下衆だな」
「まさにね」
「そんな奴は俺は信用しないしな」
「近寄らないで」
「帝国にいたら消す」
 本気での言葉だった。
「見付け次第な」
「敵に対しての謀略でも」
「そんな奴エゴで帝国にもしてくるさ」
 そうした邪な行いをというのだ。
「言っただろ、どんな汚いことでもな」
「自分の為にするわね」
「そんな奴だからな」
「その時点で帝国に貢献していても」
「消す、何度も言うが癌細胞はな」
「取り除くべきね」
「反対意見があればいいさ、けれどお前等も同じだろ」
 久志は仲間達に真顔で問うた。
「そんな奴は信じられないだろ」
「寝首掻かれることは覚悟しないとね」
 それこそとだ、淳二が答えた。チーズを食べつつそうしている。そのチーズも保存がいい味のいいものだ。
「いけないよ」
「そうだろ」
「おいらもそうした奴はね」
「信用しないな」
「吐いていい嘘と悪い嘘があるよ」
「そうした嘘はな」
「悪い嘘だよ」
 吐いてはというのだ。
「間違ってもね」
「人を陥れる為にその下半身を攻めるなんてな」
「ましてや自分の立場を利用してやったら」
「もうそんな奴はな」
「友達に持ったら駄目だよ」
 絶対にというのだ。
「信じても近寄ってもね」
「駄目だな」
「本当にそんな奴寝首掻いてくるから」 
 エゴによってそうしてくるからだというのだ。
「屑の中の屑だから」
「油断出来ないどころかな」
「関わること自体がね」
「駄目ってことだ」
「本当にそうだね」
「そうした奴も同じで疫病とかで人の不安を煽る奴も」
 そうした輩もというのだ。
「本当にな」
「成敗すべきだね」
「ああ、癌細胞は移転して」
 そしてというのだ。
「世の中をな」
「蝕むから」
「アホな予言の本位ならいいさ」
 それならというのだ。
「まだな」
「それも悪質じゃないかな」 
 淳二は少し考える顔になって応えた。
「どうも」
「予言の本でもか」
「うん、どうもね」
「影響される奴もいるか」
「人類は滅亡するとかね」
 予言の本で書かれることの常である、ノストラダムスやエドガー=ケイシーのそれであると主張されることが多い。
「あるじゃない」
「箸が転がってもだな」
「うん、人類滅亡っていうか」
 淳二はさらに言った。
「世界が崩壊するとか」
「予言の本じゃいつもだな」
「もうね」
 それこそというのだ。
「人類が滅亡しない予言の本なんて」
「まずないな」
「おいら知らないよ」
 それこそというのだ。 
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