レーヴァティン
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第二百十六話 王国の終焉その八
「遺産相続にもなり」
「家督や王位にもつながるな」
「これは王侯貴族に限らず」
「平民の家でもだしな」
「その家の血を引いていれば」
平民でもというのだ。
「それで家や土地を受け継ぎます」
「そうなるよな」
「中には猫を受け継いで」
「長靴を履いた猫だな」
「そうしたこともあります」
「それでこの世界でもか」
「血筋は重要で」
それでというのだ。
「連合王国もです」
「イングランド王が他の三つの国の王家の血も引いてるからか」
「最初はスコットランド王でしたが」
それがというのだ。
「イングランド王にも兼ね」
「そうなってか」
「ウエールズ王の跡を継ぎアイルランドの王女と結婚し」
「そうしてか」
「四国の王となって代々です」
「続いているんだな」
「そうなっています」
「成程な、っていうか元々はスコットランド王か」
久志はこのことに注目した。
「ってことは権力基盤は」
「実はでござるな」
進太も言った、彼もここまでの話で連合王国の王が実は何処に一番の権力基盤があるのかを認識したのだ。
「イングランドではなく」
「スコットランドだな」
「イングランド王でもあるござるが」
「そっちは実はな」
「他所者になるでござる」
「そうだよな」
「ですから」
久志にさらに話した。
「スコットランドは兎も角」
「結構イングランドの諸侯や民衆からは」
「親しまれていないでござるよ」
「そうだよな」
「ではでござるな」
「ああ、イングランドの諸侯や民衆にな」
久志も考える顔で言った。
「商人や手工業者、軍人ってな」
「諸勢力にでござるな」
「仕掛けてな」
策略、それをというのだ。
「そうしてな」
「イングランドを手に入れるでござるな」
「余所者の王様なら」
本来はスコットランド王ならというのだ。
「もうな」
「それで、でござるな」
「ああ、イングランド人は元々反発がある」
「そこを衝けば」
「かなり楽に戦える」
「そうなるでござるよ」
「戦は必死に楽に戦うことだ」
そうすべきだというのだ。
「そして最善は」
「戦わずして勝つ」
「それだからな」
それ故にというのだ。
「今度もな」
「そうするでござるな」
「戦わずにな」
そうしてというのだ。
「勝つな」
「それでは」
「ほな色々喧伝しよか」
美奈代は笑って言った。
「イングランドの方に」
「余所から来た王様でいいのかってだな」
「うち等がイングランドを手に入れると」
「イングランド王が復活するか」
「継承権持ってる人もおるわ」
今の王とは別にというのだ。
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