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レーヴァティン

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第二百十六話 王国の終焉その七

「これがな」
「そうしているか」
「だから上陸はな」 
 それはというのだ。
「そう簡単にはだ」
「いかないか」
「そのことはわかっておいてくれ」
「ああ、そういうことでな」 
 久志は芳直に頷いて応えた。
「攻めていくな」
「そういうことでな」
「じゃあ上陸する場所にな」
 そこにとだ、久志は腕を組んで考える顔で言った。
「砲撃やらして地雷や障害物壊してな」
「そのうえで上陸だね」
 淳二が応えた。
「そうするね」
「ああ、そしてな」
「攻め上がるね」
「まずはロンドンだな」 
 この街だというのだ。
「あの街をな」
「占領するね」
「連合王国の首都でしかもな」
「あの国の交通と経済の中心でもあるね」
「だからな」
「まずはだね」
「ロンドンをな」 
 この街をというのだ。
「攻め取るな」
「そしてそこから」
「ウエールズを攻めるか、あと別動隊をアイルランドに向かわせて」
「アイルランドに上陸して」
「あの島も攻めるな」
「ブリテン島とアイルランド島をだね」
「両方攻める」 
 淳二にも強い声で述べた。
「そしてイングランドとアイルランドの次は」
「スコットランド」
「あそこもな」
 攻めるというのだ。
「そうするな」
「四つの地域全てを」
「攻めていくな、あとあの国はイングランドが中心で」
 久志はこの国の特徴のことも言った。
「後の三国は王様は同じでそれぞれの議会があっても」
「イングランドに併合されているみたいな形だよ」
「あくまで中心はイングランドだな」
「だから三国それぞれイングランドへの反発があるよ」
「そうだな、じゃあな」
「三国にだね」
「イングランドへの離反を勧めるか」
 考える顔で述べた。
「そうしていくか」
「三国の諸侯に」
「帝国に入る様にな」
「帝国に入ると」
 どうなるかとだ、淳二は言った。
「もうイングランドがどうかじゃないよ」
「帝国の中の諸侯だ」
「三国はもう王家がなかったな」
「存在しません」
 順一が言ってきた。
「断絶しています」
「そうだったな」
「そしてイングランド王は三国のそれぞれの王家の血も引いていますので」
 その為にというのだ。
「三国のそれぞれの王にもです」
「なれたな」
「左様です」
「そこややこしいな」
 久志は腕を組んで難しい顔で述べた。
「本当にな」
「血筋のことはだね」
「ああ、それがな」
「結局この世界においても」
「血筋は重要だな」
「その血を引いている」
 このことがというのだ。 
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