レーヴァティン
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第二百十二話 急襲その四
「最高だよな」
「そうそう、こっちでもね」
「もうかなり美味いな」
「秋刀魚とかね」
この魚の焼き魚もというのだ。
「いいよな」
「本当にね」
「こんな話してると食いたくなったぜ」
笑顔でだ、久志は言った。
「焼き魚もな」
「この浮島でも浮島あるけれど」
「塩焼きでもな」
「どうも違うね」
「ムニエルが多いな」
この焼き方がというのだ。
「バターでな」
「おいら達もさっき食べたしね」
「鱒のそれをな」
「それはそれで美味いけれどな」
それでもというのだ。
「やっぱり起きた世界の日本の味じゃないからな」
「起きた時は食べたくなるね」
「どうしてもな」
「それでな」
「起きた時はだね」
「最近和食食うこと多いぜ」
「おいらもだよ」
淳二もそれだと述べた。
「最近起きたらね」
「和食食ってるな」
「そうなってきてるよ」
「こっちの浮島は欧州の味だからな」
「仕方ないよ」
「そうだな、じゃあ起きた時にな」
「おろし大根とお醤油使った食べものをだね」
「食うぜ」
是非にというのだった。
「そうするな」
「それじゃあね」
「そうするな」
その時にと話してだ、そしてだった。
ハンバーグを食べ終わると久志は言った。
「もう一枚食いたいな」
「そうだね」
剛も応えた。
「何かね」
「ああ、これから決戦かって思うと」
「頑張ろうって思って」
「それでな」
「食欲出るね」
「それでだよ」
「僕もそれでね」
是非にと言うのだった。
「もう一枚だよ」
「食いたいな」
「じゃあ食べようか」
「食えるうちに食っておけ」
「よく言われるね」
「それ事実だしな」
「食べられる時にこそ食べて」
「やらないとな」
さもないと、というのだ。
「後悔もするだろ」
「あの時やれたのにとかな」
「思ってな」
「食べていたら力を出せた」
「それに食える状況って幸せだぜ」
こうも言うのだった。
「特に軍だとな」
「補給が届く時もあれば」
「ない時もあるな」
「そうした時があること自体駄目にしても」
「あるからな」
「そうした時を考えるとんで」
「食える時には食っておけ、ましてな」
久志は笑いながらさらに言った。
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