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八条学園騒動記

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第六百二十一話 文化祭がない国その十

「急に上がり込んでだよね」
「今日行くって言ってね」
「行っていいかって聞かなくて」
「いきなり言ってね」
「そしてそれ?」
「おまけに居間でいいお布団かベッド出してもらって」
「泊まるんだ」
 スターリングはさらに呆れた。
「連合ってざっくばらんでも」
「ここまでくるとよね」
「図々し過ぎるよ」
「それでお金貰って帰るのよ」
 そうなるというのだ。
「朝ご飯も作ってもらってね」
「朝も食べるんだ」
「凄いわね」
「それも二杯半食べて」
「冗談抜きで食べるね」
「大飯喰らいね」
「そうした生活してきて」
 そしてというのだ。
「働かないで服とか家具には気を使って」
「お金ないのにだね」
 菅が言ってきた。
「自分は偉いと思い込んでいるから」
「そうしたことにお金使ったのよ」
「働いていないのに」
「それでお金なくなるでしょ」
「親御さんから貰っていてもね」
「それで家賃も払えなくなってね」
「追い出されたんだね」
 この展開は菅もすぐにわかった。
「そうなったんだね」
「ええ、そっちの筋からもお金借りてね」
「何かつくづくどうしようもないね」
「そうなってね」
「追い出されて」
「後はもうあちこちにお世話になっても」
 それでもとだ、七海は話した。
「性根は全くね」
「変わらなくてだね」
「何しても恩義にも感じなくて文句ばかり陰で言うから」
「皆匙投げたんだ」
「誰かの為に何もしなかったから」
 先に言った通りにというのだ。
「それでね」
「行方不明だね」
「死んでいてもね」
 七海の今の言葉は素気ないものだった。
「いいわ、というかね」
「死んでいてくれた方がだね」
「いいわ」
 やはり素っ気ない言葉だった。
「むしろね」
「どうしようもない人だから」
「今お話した通りにね」
「エウロパ貴族並の勘違いをしていて」
「本当に何も出来ないししないのに」
 全くの無能であるがというのだ。
「自分が偉いってね」
「長男で本ばかり読んで知識があるからって」
「そうなってる奴だから」
「死んでいる方がだね」
「好都合よ、私は只の知り合いだけれど」
 そうした立場だがというのだ。
「子供にしか相手にされていないわ」
「自分も子供だから」
 彰子はここでぽつりと言ってきた、言ってからレモンティーを一口飲んだ。そうしてさらに言った。 
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