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レーヴァティン

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第二百十話 北西へその十

「敵の主力を叩くな」
「三ヶ国が合流した」
「その大軍を倒しますね」
「そうしますね」
「もう王国軍と連合王国軍は合流したな」 
 援軍に来ている彼等はというのだ。
「そうなったな」
「はい、ライン川の西岸で」
「遂にそうなりました」
「そしてライン川に向かっています」
「我等が軍を集結させる頃には」
 その頃にはとだ、将帥達も話した。
「彼等は川を渡り」
「そして騎士団軍と合流するかと」
「あちらも大雪で動きは困難ですが」
「間に合いそうです」
「そうだよな、だったらな」
 それならとだ、久志は応えた。
「もうな」
「ここはですね」
「我等も合流し」
「そしてですね」
「決戦を挑みますね」
「ああ、そうするな」
 今の考え通りにというのだ。
「焦らないでね」
「急がずとも」
「それでもですね」
「そうして戦の用意をし」
「軍を動かしますね」
「そうするな、もうな」
 それこそともだ、久志は話した。
「ここまできたらな」
「決戦ですね」
「それを挑み」
「そして勝ちますね」
「ああ、それとな」
 久志はさらに話した、今は天幕の中だが外の方を見て言った。
「その頃にも雪はな」
「降っていますね」
「そして積もっていますね」
「今の様に」
「決戦となる地でも」
「今ライン川の両岸に騎士団領全体がな」
 まさにというのだ。
「大雪でな」
「雪が積もっています」
「春はまだ先です」
「ですから」
「それで、ですね」
「決戦の時も雪の中だな」
 そうした状況下で行われるというのだ。
「そうなるな」
「そうですね」
「雪原上での大規模な会戦ですね」
「雪が降る中での」
「そうしたものになりますね」
「鉄砲や大砲もな」
 雪原の上、雪が降る中ではというのだ。
「どうもな」
「どうしても厄介なものになりますね」
「それは避けられないですね」
「雪で導火線が湿り」
「そうなってしまっていて」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「ここはな」
「そこも用心して」
「そのうえで戦うことですね」
「そうした戦いになりますね」
「ああ、そしてその時もな」
 久志はさらに話した。
「防寒はな」
「徹底しますね」
「指がかじかんでは引き金も引けません」
「だからですね」
「そのこともですね」
「やっていくな」
 これまで通りそうしていくというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「その様にしていきましょう」
「その時も」
「絵にはなるけれどな」
 雪原で雪の降る中での決戦はとだ、久志は笑ってこうも言った。
「それでもな」
「満足に戦える様にする」
「そうしますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「勝ちますね」
「ああ、そうするな」
 こう言ってだった。
 久志はルールの掌握の後で全軍の集結を命じた。その場所はエンスヘーデ騎士団軍の主力を西に見据える場所だった。


第二百十話   完


                 2021・5・15 
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