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レーヴァティン

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第二百十話 北西へその四

 門番のいない門を開くことは容易だった、ハンブルグの多くの城門は闇夜の中重々しい音を立てて開かれ。
 橋もかけられた、久志はそれを見て笑って言った。
「よし、じゃあ今から入城だ」
「堂々とですね」
「攻めずにですね」
「入りますね」
「ああ、見ろ敵の顔を」
 城壁にいる彼等のそれをというのだ。
「夜の中でもわかるだろ」
「慌てていますね」
「この事態に」
「まさか全ての城門が突然開くとは」
「橋までかけられて」
「こうなったら戦にはならないさ」
 最早そうした状況だというのだ。
「だからここはな」
「堂々とですね」
「行進して入城ですね」
「そうしますね」
「歓声をあげてな」
 勝利を祝うそれをというのだ。
「軍歌を大声で歌ってだ、いいな」
「十万の軍全てがですね」
「そうしますね」
「そして城に入り」
「後は」
「街を占領する、ただここでもな」
 このハンブルグでもというのだ。
「絶対にだ」
「略奪暴行はしない」
「それは守りますね」
「何があっても」
「ああ」
 それはというのだ。
「許さないからな」
「ですね、帝国軍は略奪暴行をしない」
「何があろうとも」
「それが帝国軍ですから」
「だからな」
 そうした軍であるからだというのだ。
「いいな」
「はい、街を占領し」
「降してですね」
「後は守りの兵を置き」
「そうしてですね」
「ルールに向かう」
 今十五万の兵を向かわせているそこにというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「これから街に入り」
「そのうえで」
「ああ、あの国に入るぞ」
 こう言ってだった。
 久志は実際に軍を堂々と行進させ歓声と軍歌と共に入城させた。敵兵達はそれをっ診ても唖然とするばかりで。
 何も出来なかった、突然城門が開き彼等がそうしてきて驚きのあまりそうなった。
 その間に帝国軍は城に入り彼等の前にも出た、どの兵も武器を捨てて手を挙げることしか出来なかった。
 久志はハンブルグを占領すると降った市長に言った。
「このままでな」
「いいのですか」
「帝国に入ってもな」
「街はですか」
「このままでいいさ」
 その行政はというのだ。
「商売もな」
「このままで」
「やってくれ」
 市長に笑顔で話した。
「いいな」
「そうですか」
「ああ、ただ税制はな」
 久志はハンブルグのそれを見て話した。 
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