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レーヴァティン

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第二百十話 北西へその五

「見たらちょっといらないものもあるな」
「そうなのですか」
「だからそういうのはなくしてな」
 それでというのだ。
「そっちの負担軽くするな」
「そうして頂けますか」
「これからは帝国に入るんだからな」
「税制は帝国のものにしますか」
「ああ、正直俺は税は軽くしてな」
 それ自体はというのだ。
「国を栄えさせてな」
「それを国の富にしますか」
「そうしたいからな」 
 そう考えているからだというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「ああ」
 是非にというのだ。
「税制は帝国のものにするな」
「わかりました、それでは」
 市長は久志のその言葉に笑顔で頷いた、そうしてそのうえで帝国に入ることを書類のサインで正式に決定した。
 久志はハンブルグに守りの兵を置くと自身は兵を率いてルールに向かった、その途中も報告は次々に届いた。
「そうか、ルールの街や村もか」
「エッセンもドルトムントもです」
「そして多くの村もです」
「次々に降っています」
「そうなっています」
 報を届ける士官達が久志に述べた。
「そして騎士団領の東側はです」
「全て帝国に入りました」
「そうなっています」
「そうして帝国軍は順調に進み」
「ライン川に向かっています」
「そうなんだな、それで敵軍はどうなってるんだ?」
 久志は自軍だけでなく彼等のことも問うた。
「一体」
「はい、今はも西に逃れています」
「そして王国軍連合王国軍はライン川西岸に向かっています」
「そのうえで川を渡るでしょう」
「その動きも見せています」
「やっぱり三国の軍は合流するな」
 久志はその報を聞いて述べた。
「そうなるな」
「我々はそれには間に合わないですね」
「残念ながら」
「彼等の足も速いですし」
「馬を使っていて道も整っていますし」
「そうだな、しかも輜重隊も連れて行かずにな」
 進む途中の街や村に用意された食料を受け取りつつ進んでいるのだ。
「余計にな」
「速いですね」
「既に川の東岸にはかなりの物資を用意しているとか」
「そこでの決戦を意図して」
「そうしている様ですね」
「そうだな、だったらな」
 それならとだ、久志はさらに言った。
「もう合流した三国の連合軍とな」
「帝国軍は戦いますね」
「そうしますね」
「こちらも軍を合流させて」
「それで、ですね」
「そうするな」
 こう言ってだった。
 久志は軍をルールに進ませ今はその地域の掌握に専念することにした、もう敵軍は合流し大軍になった彼等と決戦を行うつもりだった。
 それでだ、周りにも話した。
「ルールを占領したらな」
「もうそれからはですね」
「別の動きに入りますね」
「そうしますね」
「ああ、そしてな」 
 それでというのだ。 
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