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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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悪人に人権無し!

私は海賊のアジトの外にいる。
空には満月が輝いており、松明が無くとも辛うじて視界を確保出来る。
私は記憶を頼りにアジトの横手に回り込み、注意深く付近を散策する。
すると其処には大きな岩が一つ…
「あった!」
思わず叫び、小躍りする私!


しかし良く考えたら、こんな大岩動かせないじゃん!
私、ピッチピチの7歳児よ!
しかもサイヤ人とかそう言うんじゃ無いから…
まさかお父様にお願いするわけにもいきません…『この岩を動かすと下に階段があり、地下にはレッドオーブがあるんですのよ』なんて言うわけにはいきませんからねぇ…

でも大丈夫!
身体は子供、頭脳はある程度大人な私には秘策がさるんですよ。
テコ入れの原理…もとい、テコの原理です。
支点・力点・作用点!
レッツ・物理の法則!



物理の勝利です。
即ち私の勝利です!
非力な7歳児が、自分の身体とほぼ同じの岩を退かし、その下に隠し階段を発見する!
そして地下は倉庫になっており、奪ったお宝が盛り沢山………のはずなんですが………
殆どカラ…
有ったのは目的のレッドオーブとルーズソックスだけ…
私ルーズソックスって大嫌いなのよね!

ちっ!
戦利品はレッドオーブだけかよ!
まぁいい…目当ての物は手に入れた…後は適当に『お外で拾いましたぁ♥』って可愛らしく言えば、これは私の物になるはず。
「マリーちゃ~ん!何処にいるのー!!」
あ!マイダーリンだわ♡
可愛いウルフちゃんが私を求めているわ!
行かなくちゃ!


「ウルフ様~、こっちですぅ!」
私は可愛らしくウルフちゃんの声のする方へ走る。
海賊のアジトの入口付近で困り顔の坊やを見つけ、走り寄り抱き付く!
「リュカさーん!ティミーさーん!マリーちゃんが見つかりましたー!!外へ出てきて下さーい!」
月明かり輝くロマンチックな海辺を、二人きりでまったり楽しもうと思ったのに、ソッコで家族を呼ばれました。

「マリー!!無事か!?何か変な事されてない?」
顔色を変えて私を抱き締めたのはお兄様…
ウルフ様に抱き付いていた私を、無理矢理抱き締める!
お前キショいんだよ!
シスコンも程々にしろよ。
「マリー、心配したんだよ!こんな獣だらけの所で、勝手な行動しちゃダメじゃないか!」
大人なお父様は、私の顔を覗き込み心から心配してくれてる様だ…
「お父様、お兄様…ごめんなさい………皆さん忙しそうだったから、一人で探検してましたの!」

私はシスコンお兄様に抱かれながら、ボコボコにされた海賊達が横たわる建物内へと入って行く。
そして海賊達が見守る中、レッドオーブを取り出して所有権を主張する!
「あのね…外の地下室で、こんな綺麗な物を見つけたんですよぉ!」
「わぁ、綺麗な宝玉だね!冒険をして見つけたんだから、それはマリーの物だね」
ナイスお父様!
その一言を待ってました!

「あ!!それは俺達がこの間手に入れたレットオーブじゃねぇーか!」
黙れ三下!
お前等悪党に人権は無いのだ!
ドラマタの美少女魔道士だって言ってたし!

「あ゛~!!?『俺達?』………この建物の外にあったのに、何でお前等の物なんだぁ?外に落ちてたのなら、誰の物でもないだろう!拾った者勝ちだ!」
「い、いや…落ちてたんじゃなくて…地下室にあったって言ったよね?それって「バギ」
(ドゴッ!!)
ちょ~素敵、お父様!
風だけのバギで見分けのつかない三下を吹き飛しましたわ!
「海賊さん達に質問!この宝玉は誰の物ですか?」
「「………そちらのお嬢さんの物です…」」
「はい。よろしい!」
うん、作戦通り!


取り敢えず戴く物は戴いたし、お腹がすきました。
次に戴くのは食べ物ですね!
私達は海賊達の食料庫から勝手食べ物を出して、食堂で遅い夕食を始めた。

其処に海賊(モブ)の一人が悲鳴に似た叫びをあげ私達の食事を邪魔する!
「あ、アンタ等…な、何勝手に食ってんだ!?」
ゴチャゴチャうるっさいわね!
「何だよぅ…飯ぐらい食ったって良いだろ!ケチくさい事言うなよぉ…」
「そ、そうじゃねぇーよ!食料庫の食い物、全部食いやがって…頭に『つまみを持って来い』って言われたんだよ!なのに何も残って無いじゃねぇーか!!」
知るかよバ~カ!

「残ってるだろ…此処に!」
「全部食いかけじゃねぇーか!んなモン持ってたら、殺されるだろーが!」
「じゃ、お前…アレだよ!『食べ物が無くなっちゃったので、僕のチ○コを摘んで下さい』って言えば良いじゃん!」
誰がそんな汚い物を摘むんだよ!
「お前バカなのか!?今すげぇーんだよ!頭達、酔っ払いまくってすげぇー状態なんだよ!あん中にお前の嫁さんも居るんだろ!何とかしろよ!」
え!?お母様も酒盛りしてるの?珍しいわねぇ…

そんな海賊(モブ)の悲鳴を無視し、食事を続けていると奥から海賊の女ボスが大声で此方に近付いてくる!
「くぉら~バチェット!つまみはまだなのか~!おせーぞテメ~…」
「す、すんません頭!こ、コイツ等が(バリンッ!)ぐはぁ…」
ナイスピッチング!
海賊(モブ)の頭に酒瓶がクリーンヒット!
その場に倒れ気絶しちゃった…

「つまみも碌に用意出来ないのかぁ!」
次に奥から現れたのは両手に酒瓶を携えた私のお母様だ…しかもセクシーな黒の下着姿で!
「な、なんて恰好をしてんだ…ちょ、服着てよぉ…」
や~ん♥
愛する妻の下着姿は、他人に見られたくないのねぇ~♥
慌ててお母様に自分のマントを羽織らせ、他者に見られない様にガードしちゃったわ。

「リュカさ~ん…私も優しく包んで下さ~い!」
裸のハツキ様が現れお父様に抱き付いた!
元とは言え僧侶だったんでしょ、アイツ!
酔っ払った上に、恥じらいもなく男に抱き付くって………使えるわね、ソレ!
「うわぁ!何で裸なの!?」
慌てふためくお父様って、なかなか拝めないわよね…貴重な瞬間ですわ!

「ねぇ~リュカぁ~…エッチしようよぉ~……私ぃ~準備万端なのぉ~!」
「あぁ~ん!私もリュカさんとした~い!」
「わ、分かった!分かったから…べ、別の部屋へ行こう!此処は拙いって!」
お酒の力で発情したメスが2人…
そんな2人を抱き上げ、お父様は奥の別室へと逃げ込んだ。
そしてお母様とハツキ様の喘ぎ声が響き出す!
「アタイ等も負けてらんないよ!」
その声に欲情したカンダタと女海賊も別室へと引き籠もる。


奥から淫らな女の喘ぎ声が響く中、お兄様とウルフ様は呆然としている。
「そ、そう言えばアルルはどうしたんだ!?」
不意にお兄様がアルル様の事を思い出し、アホな大人が痴態を晒している部屋とは違う部屋へと探しに行った。

どうせ飲んだくれてるだけなのだから、放っておけば良いのに…
それとも酔っているのを利用して、童貞を卒業するつもりか!?
いや…あり得ないか…相手がリュリュお姉様だったら、お兄様も理性を切り捨て本能で行動しちゃうかもしれないけど、あのペチャパイ姉ちゃんじゃ………
それにウルフ様も一緒に向かった事だし…3Pはしないだろう…きっと…
う~ん…男は皆、狼だし…ヤバイかな?


ウルフちゃんのチェリーが心配なので、私もお兄様の元へ行こうと思います…が、立ち上がり奥へと歩こうとしたら何かが私の足にぶつかり転んでしまいました。
「いった~い!!」
誰だ、床に物を置いたヤツは!
思わず私を転ばした物を睨み付ける……

しかし一瞬で私の表情は緩んでしまう!
私を転ばせた物は、まだ半分以上中身が残っているテキーラの瓶だった!
そう言えば、生まれ変わって早7年…
帰宅後にアニメDVDを観賞しながらの晩酌が日課だった私が、7年間もの禁酒に成功したのだ!

別に禁酒をしたかったわけではないのだが、飲むチャンスが訪れなかったのだ!
だってお父様、お酒飲まないんだもの!
晩酌中に甘える振りをしてペロリ舐める事も出来なかったのよ!
ふむ…お父様もお母様も立て込んでるし、ちょっぴりなら飲んでもバレないわよね!?
7年ぶりだし良いわよね?

よし!ゴチャゴチャうるさそうなお兄様が戻る前に、少しだけ味わってみましょう。
少しだけよ…身体は子供なんだし、ほんの少しだけ!
私は堅い決意の元、テキーラの酒瓶を両手で抱え飲み出した。
ちょっとだけだから!



 
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