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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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次から気を付けよ!

やっべー!とんでもなく拙い事になっちゃった!
何が拙いかって…エコナ様が津波で攫われてしまった事……も、そうだが…それが私の所為になる事だ!
イエローオーブの足掛かりを失ったのは痛いが、それは何とでもなるだろうし、最悪は隠居したがってるお父様を生贄にするのも手段の一つだろう!

大体私は悪くないわよ!
ゲームじゃ皆、海上でイオナズンを打ちまくりじゃん!
今更『そんな事ダメですぅ~』とか言われても、私の所為じゃないわよ!
でも、そんな事言えないし…何とかこの場を取り繕わないと…

「ごめんなさいお父様…私…私………」
こう言う時は、幼気な少女の涙に限る!
「マリーちゃんの所為じゃないわ…私達がもっと強ければ、こんな事にはならなかったのよ…」
「アルルの言う通りだよマリー。マリーは悪くない!だって初めて使ったんだろ魔法を!?」
ふん!チョロいわね…でも、もう一息。
責任を他人に擦り付けねば…

「はい…ポピーお姉様がお嫁に行く前に、私に教えてくれたのです…グランバニアに居た頃は使う事が無かったので、今日初めて使いました…」
お姉様…悪く思わないでね。
貴女の普段の行いの素敵さを利用させてもらいます。
「そっか…じゃぁ憶えておきなさい…魔法は状況に合わせて使うのだと…」
ふふん…この親馬鹿も落ちたわね…
まぁ、お父様が愛娘に対して、声を荒げて叱るとは思えませんけどね!

「魔法は二次的効果も考えて使用する物なんだよ」
「二次的効果…?」
「そう…さっきのイオナズンで言えば、一次的効果が敵を吹き飛ばす事…二次的効果は大津波を引き起こした事だ!………もし此処が狭い洞窟内だったらどうなってたと思う?」

「………どうなってたんですか?」
「狭い洞窟内だったら、壁や天井を崩し僕等は生き埋めになっていたんだよ…」
う゛…ファンタジー世界なんだから、其処は不思議な力でオールクリアにしなさいよ!
迷惑な世界ね!
魔法を使いにくいわぁ…
「こ、怖いですぅ…私もう魔法を使えません…」
「違うよマリー!状況に応じて魔法を使い分ければ良いんだ!さっきの場合だったら、イオナズンじゃなくてイオラ…も、凄そうだな…イオ!そう、イオを使えば被害がなく、敵を倒す事が出来たんだ!威力の調整も必要な事なんだよ」

「そうよマリー!威力調整さえ出来れば、貴女の魔法の才能なら直ぐに大魔道士になれるわ!」
「で、でも…」
つ、使えたら使ってるわよ!
お姉様がイオナズンしか教えてくれなかったのよ!
「私…イオナズンしか教わらなかったんです…」

「あ、あの馬鹿女ぁ~!!!」
そ、そうよ!そのなのよ!!
お姉様が悪いのよ!
「ティミー落ち着け!ポピーも何か考えがあったのかもしれないだろ!?」
ううん…きっと面白半分だと思うのよ!
「あの女にそんな深慮があるとお思いですか!?」

「いやぁ~父親としては答えにくい質問だなぁ…」
「じゃぁ兄として答えてあげます!アイツにそんな深慮はありません!面白半分でイオナズンのみを教えたんです!…その所為でエコナさんは津波に攫われてしまったんです!」
そうなのよ!全部お姉様が悪いのよ!
お兄様…もっとお姉様に対し、憤慨なさって下さい!
そして私へ罪が及ばない様にして下さい!

「ティミーもみんなも落ち着いて!…波に攫われたとしても死んだわけではないわ!生きて…何処かに流れ着くかもしれないじゃない!希望は捨てちゃダメよ…世界を旅していれば、また再会する事だってあり得るわ!だから今は気持ちを切り替えて、次の目的地へと進みましょう!」
さ、流石はアルル様!
プラス思考で参りましょう!
確率はほぼ0に近いけど、そう思って気持ちを切り替えましょう!

まぁ…生きていたとしても無事とは限りませんけどね…
何処かに流れ着いても、アノ巨乳を見て男共が狼に変身するでしょうし、船に発見され引き上げられても、海の男が紳士であるとは限りませんからねぇ…
もし再開出来ても、ボロボロの使い古しね…きっと当分の間、主食は男のカルピスよ!



アルル様の言葉が響いたのか、皆さん悲しみの面持ちのまま操船を続けてます…
皆一言も喋らず黙々と…
『お前の所為だ』オーラが充満してて、息苦しいです!
ムカつきますね…もう1回泣いて見せて、私こそ被害者であると示しましょうか?

「そりゃ!」(ブチッ!)
「な、何やってんだアンタ!」
泣こうと準備した瞬間、お父様が急にカンダタに叱られました!
帆を張る為のロープを力任せに引っ張り、ロープが切れてしまった様です。
「いやぁ~…みんなが悲しそうだから、僕も手伝おうと思ってさ……よいしょぉ!!」
そう言いながら、床に落ちてある別のロープを力任せに引っ張り、マストの一部を折ってしまった。

「貴方は何もしないで下さい!!」
皆の声が綺麗にハモり、最年長者を叱り付ける!
お父様の馬鹿さ加減に感謝です!
お陰で私への嫌なオーラが無くなりました。
まぁ当然ですけどね…




さてさて、年下の少女に優しく接して、自分が善人である事を示そうとするアルル様の指示で、お父様のお守りを仰せつかり数日…
目的の海賊さんのアジトへと到着しました。

中はアレです!
むっさい男共で溢れかえってます。
ある種の有毒ガスが出てるみたいでヤです!
「うわぁ…俺、こう言う人達は苦手だなぁ…」
ウルフ様も毛嫌いしてますわ!
貴方は私の為に、何時までもプリティーで居て下さいね♡
「僕も苦手だなぁ…こう言う不潔そうな連中は!………何より臭いよ此処!」
うん。同意見ですけど、もう少し声を小さくしてほしいですわ!
ブサメン共が、皆睨んでるじゃないの!

その内の一人がカンダタを見つけ近付いてきます。
「おう!何処の貴族様が迷い込んだのかと思ったら、カンダタじゃねぇか!!聞いたぞ、おめぇ心入れ替えて、勇者様一行と共に世界を救う旅に出たんだってなぁ…がはははは!おめぇが正義の味方になれるわけねぇだろ!何勘違いしてんだぁ!?」
何!?何かコイツ、ムカつくんですけどぉ~!
「お前…口臭いから、こっち向いて笑うなよ!て言うか息するな!」

ナイス、お父様!そのまま其奴をぶっ飛ばしちゃえ!
そう思った瞬間、急にお兄様に抱き上げられ、部屋の隅まで連れ去られました!
一瞬『え!?犯される?』と思ったのですが、お母様も一緒だったので違うみたいです。
振り返ると、お父様を中心に大乱闘!
付き合いが長いお兄様とお母様は、咄嗟に気付き私を安全な場所に避難させた様です。
ゴメンねお兄様、犯されると勘違いしちゃって…そんな度胸は持ち合わせて無かったわよね。

「お前達いい加減にしな!!」
ビックリする程大きい声の女性が奥から現れ、皆さんを叱咤しました!
この人がお頭さんですね!
だって声意外に、態度も大きいし…
大きくないのはオッパイだけね!
残念ながらお父様の範疇外ね…
従順な雌犬になる所を見たかったのに…つまんね!

さてさて…
乱闘騒ぎも収まった事だし、私はレッドオーブを探しておかなければ…
『偶然見つけましたぁ~』的な事を言えば、必然的に私の物になるだろう。
私は忙しいのだ…
海賊(バカ)共の相手をしてなど居られないのよ!



 
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