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レーヴァティン

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第二百六話 冬の進軍その五

「何か妙にな」
「傾向あるよね」
「正直インチキ臭いな」
 その主張や教理がというのだ。
「どうもな」
「オリジナリティもないね」
「それもあるな」
「それを見たら」
「わかるな」
「本当にカルトってのは特徴hがあるよ」
 剛は言い切った。
「本物とインチキの違いはね」
「インチキだとな」
「今お話した風なんだよね」
「よく見ればわかるな」
「あとカルトじゃなくてもね」
「中世の教会は論外だな」
「ああなると洒落になってないよ」
 それこそというのだ。
「まさにカルトがこの世を支配した」
「そうした風だな」
「だからああなったんだよ」
「とことん腐敗して悪事の限りを尽くしたんだな」
「そうなるから教会を通じて民をなびかせることはよくても」
 それでもというのだ。
「けれどね」
「横暴は許さないことだな」
「自分達に都合のいいことを吹き込んだり」
「搾取とか虐殺を唆したりな」
「間違ってもそんな方向にはね」
「進ませないことだな」
「そう、そこは気を付けて」
 そのうえでというのだ。
「そうしたこともしていこうね」
「聖職者の権威を利用するのも政か」
「多少卑怯かも知れないけれど」
「友好なのは事実だな」
「そうだよ」
「それな、やっぱり聖職者そして宗教は強いわ」 
 美奈代もこう言った。
「神の権威があって知識も備えてる」
「情報も入るしな」
「そやから聖職者も宗教もな」
「強いな」
「かなりな、そしてな」 
 美奈代はさらに話した。
「それを利用しても一つの宗教の贔屓はや」
「しないことだな」
「そうしたらその宗教が変に力を持ってな」
「やっぱり中世の教会みたいになるな」
「そうなるさかいな」
「特定の宗教には肩入れしない」
「利用してもな、あとカルトは別にして」
 剛の言う通りそれは論外にしてもというのだ。
「普通にな」
「弾圧はしないことだな」
「そや」
 それがいいというのだ。
「信仰の自由もな」
「認めることだな」
「そうしていこな、うち等も」
「これまでもそうだったしな」
「これからもな。ただ今思ったけどな」
 ふとだ、美奈代は久志にこうも言った。
「海の魔神も神様やろ」
「神ならか」
「信仰されることもあるな」 
 久志に考える顔で述べた。
「そやな」
「ああ、神様だとな」
 確かにとだ、久志も答えた。
「それはあるな」
「そやろ、そやからな」
「若しかしたら海の魔神を信仰している連中もいるか」
「邪教もあるさかいな」
「そうだな、邪教っていうのはな」
「表には出んな」
「自分達だけでな」 
 表に出ないでというのだ、久志はこの浮島ではカルト教団は見ている。だがそうした邪教は見ていないのだ。 
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