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レーヴァティン

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第二百五話 配備と調略その八

「絶対にな」
「あれはまた凄かったな」
「焦土戦術に苦しめられつつモスクワに入ったがな」
「そこで冬が来てな」
「そしてだったな」
 そのうえでというのだ。
「急いで撤退して」
「そこで冬の寒さにコサックに襲われてな」
「大軍が殆どいなくなったな」
「軍の損害で言うと消滅と言っていい」
 最早戦力がなくなったというのだ。
「そこまでだ」
「やられたな」
「騎士団領も北部はかなり寒い」
「だからだよな」
「あのロシア程ではないが」
「やっぱり厳しい寒さだからな」
「用心はしてだ」
 そうしてとだ、正はさらに話した。
「戦うべきだ」
「実際に寒かったしな」
 久志はここで冒険、その騎士団領をそうしていた時のおとを思い出して語った。今ではいい思い出である。
「騎士団領の北も」
「はい、若し備えがなくては」 
 共に旅をしていた者の一人である源三が言ってきた。
「あの時は」
「凍死も有り得たな」
「冗談抜きで」
「浮島の北はもっと寒かったけれどな」
 丁度そこに向かっていた時だ、芳直のことを聞いて彼を仲間にする為の旅であった。
「けれどな」
「騎士団領もで」
「それでな」 
 だからだというのだ。
「苦労したしな」
「あの時のことを思い出して」
「そしてだな」
「しっかりとです」 
 ここはというのだ。
「防寒はしておきましょう」
「全軍な」
「敵軍も問題ですが」
「自然も問題だからな」
「それが戦です、自然は味方にもなれば」
「敵にもなる」
「そうしたものですね」
 源三は久志に述べた。
「自然は」
「地の利って言うけれどな」
「自然はまさにです」
「それだな」
「地形と気候がです」
「地の利でな」
「戦うにはそれに対してどうするか」
 このこともというのだ。
「極めて重要です」
「そういうことだな」
「ですからここは」
「防寒をしてな」
「戦いましょう、そして大軍を活かし」
 そのうえでというのだ。
「勝ちましょう」
「そうしような」
「そうしていきましょう」
 源三は久志に微笑んで応えた、そしてだった。
 久志は仲間達と戦についてさらに話していった、それは夜まで続きそれが終わってから夕食となったが。
 久志は夕食のメニューの一つであるパスタ、スパゲティカルボナーラを食べつつこんなことを言った。
「これは騎士団領にあるか」
「カルボナーラはですね」
「あそも旅したけれどな」
 こう順一に話した。 
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