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レーヴァティン

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第二百五話 配備と調略その七

「この半島でも結構ね」
「冬は寒いからな」
「そして雪もね」
「北に行くと多いしな」
「これが騎士団や王国になると」
「大抵の地域は冬が厳しくて」
「雪もね」
「多いな」
「それに風も強いわ」 
 こちらもあるというのだ。
「だからよ」
「冬の戦はな」
「厳しいわよ」
 こう久志に話した。
「どちらもね」
「その冬にどうするか」
「そのこともね」
「考えていくことだな」
「それが大事よ」
「そうだな」
 久志は留奈のその言葉に頷いた。
「防寒も用意しておくか」
「それがいいわ」
「寒さは我慢しろとかな」
 久志は笑って話した。
「そんなのはな」
「無理だ、寒さが厳しいとだ」
 正がそうした場合について言ってきた。
「やはりな」
「それだけで動きが鈍るしな」
「寒くて身体が動かなくなりな」
「最悪凍死もするな」
「根性論でどうにかなるか」
「精神力は大事だけれどな」
「しかし自然のことはだ」
 寒さだけでなくというのだ。
「それだけではだ」
「どうにもならないからな」
「温かい服装でこそだ」
「寒さは凌げるな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「ここは根性論なぞ言わずな」
「温かい服を用意しておくか」
「そして食いものもな」
 こちらもというのだ。 
「かなりな、あと強い酒もな」
「用意しておけ、あと毛布もだ」
「多くな」
「寝る時が一番怖い」
 正はクールな声で指摘した。
「冬はな」
「その時に一番凍死するな」
「人間寝る時は体温調節が落ちる」
「だからな」
「毛布もだ、そして出来れば湯たんぽの様な」
「そういったものもな」
「持っていければな」
 それならというのだ。
「持って行くことだ」
「そうしてか」
「寒さにな」
「対することだな」
「さもないと多くの凍死者が出てだ」
 そうしてというのだ。
「戦どころでない」
「ナポレオンみたいになるな」
「ロシア遠征の時のな」
「そうだよな」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「そういったものもだ」
「用意してな」
「攻めることだ」
「冬だからな」
「備えもしてな」
「攻めることだ、ナポレオンの失敗は忘れるな」
 ロシアの冬に敗れた彼のことはというのだ。 
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