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レーヴァティン

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第二百五話 配備と調略その六

「そして焦らず惑わずだよ」
「その二つも大事だな」
「そう、落ち着いてね」
「落ち着いてな、その落ち着くこともな」
 久志は少し苦笑いになってここでは剛に述べた。
「時としてな」
「難しいよね」
「そうだよな」
「そうした時もあるよ、けれど」
「そんな時こそな」
「落ち着くことだよ、我を失ったら」
 焦って惑ってというのだ。
「こうした時もね」
「しくじるな」
「貧すれば窮するっていうけれど」
「危機にこそ焦らず惑わず」
「そうだよ、自分を見失わないことだよ」
 危機にこそというのだ。
「上手くいかない時も」
「そうした時は絶対にあるしな」
「晴ればかりじゃないからね」
「ああ、雨だってある」
「吹雪だってね」
 天候は色々だった。
「あるからね」
「上手くいかなくても」
「落ち着くことだね」
 剛の言葉は穏やかであった。
「そうした時は」
「そうだよな」
「天気は仕方ないから」
 とてもというのだ。
「本当に」
「術でもな」
「完全にどうかはね」 
「出来ないな」
「自然は神の仕事だよ」
 それをどうこうすることはというのだ。
「人ではね」
「どうにもならない」
「だからね」
「そっちがどうなってもな」
「それは受け入れて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「ことを進めることだな」
「そうだよ、そうしたことも頭に入れて」
「やっていくか」
「これからもね」
「そうだな、しかしこの進み方だと」
 久志は今度はこう言った。
「騎士団と戦うにしてもな」
「季節は冬ね」
 留奈が言ってきた。
「戦う時は」
「急いでもな」
「ええ、今年の冬はどうなるか」
「この浮島冬は厳しいしな」
「そうよね」
「東の浮島はな」
 久志は英雄達が統一を進めているそちらの話もした、彼等はそれぞれの浮島で動いているがそちらの話も少しだが聞いているのだ。
「奥羽とか蝦夷は雪が多くても」
「それでもね」
「こっちよりは暖かくてな」
「雪もね」
「少ないみたいだな」
「そうね、こっちの浮島は」 
 留奈はさらに話した。 
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