戦国異伝供書
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第百二十六話 推挙その十一
「素早く攻め落とすぞ」
「相手が高橋殿でも」
「そうする」
こう言ってだった。
義久は軍を岩屋城に急がせ城を五万の大軍で囲みそのうえで城を守る高橋に城を去る様に勧めたが。
高橋は断った、しかもだった。
「徹底してであるな」
「戦うおつもりですな」
「最後の一兵まで」
「高橋殿ご自身も」
弟達は城を観つつ義久に応えた。
「左様ですな」
「では、ですな」
「我等は」
「戦うしかない、しかしな」
それでもとだ、義久は弟達に返した。
「守りを固めておるな」
「徹底的に」
「兵の数は少ないですが」
「そうしていますな」
「そしてまさに城の兵全てが死兵となっておる」
このことも話した。
「それではな」
「我等もですな」
「戦うとなりますと」
「覚悟せねばなりませぬな」
「うむ、それではな」
まさにというのだ。
「大変な戦になるな」
「出来る限り早く攻め落とさねばなりませぬが」
「我等としては」
「どうしても」
「そうじゃ、あの城を攻め落とし」
すぐにというのだ。
「大友家に九州探題の職を迫るが」
「ですが織田殿が動きました」
「あの方が」
「ならば」
「それは断るであろう」
そうしてくるというのだ。
「ならばな」
「大宰府まで行かねばなりません」
「まさに」
「そうせねば」
「そしてあの地で九州探題になる」
「その儀を行いますが」
「それには」
弟達は口々に話した。
「どうしてもですな」
「我等はですな」
「あの城を攻めるに苦労しますな」
「そうじゃな、急ぐが」
しかしというのだ。
「果たしてどうなるか」
「ですな、すぐに攻め落としたくも」
「あの守りと兵達の決死の顔を見ますと」
「どうしても」
「それは無理やもな、しかしな」
色々と厄介なものは感じる、しかしだった。
義久は決めていた、それで今こう言うのだった。
「よいな」
「はい、それでは」
「これよりですな」
「あの城を攻めますな」
「そうする、今より五万の兵を全て使って攻めよ」
こう言ってだった。
義久は城攻めに入った、だがすぐに織田家の報が入った。
「この九州に向けてか」
「はい、大軍が陸と海からです」
「迫っておるとのことです」
「その数二十万以上」
「恐ろしい大軍です」
「しかもその足がか」
進軍の速さがというのだ。
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