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鬼の手をもつ男(GS美神の二次)

作者:ユウスケ
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3話 最後の修行は孫悟空と…!! 前


中学2年の冬休みが終わると共に修行場(地獄)から一時期帰宅した俺だったが。
中学3年の春休みに地獄に舞い戻っていた。

「はぁあああああ!!」

「キシャァアアアア!!」

「ほら!あと少しです!!頑張ってください、京介さん!!もうすぐで倒せますよ!!」

修行場の亜空間に響く俺の声と魔獣の悲鳴に小竜姫様の激励。
これが普通の修行なら激励でやる気が起こるのかもしれないが俺は必死だ。
何故ならビビリを必死に押さえ、勇猛果敢に立ち向かう正義の味方みたいな演技に
戦い方をしなくてはいけないのだ!!
逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!!!

「無に…還れ!!」

ズバァアア!!

「ギョォォォオオオオ……!!!?」

「やりましたね!京介さん!!」

理由はとてもシンプル。
嘘がばれない様にする為だ。
何故ならあのじいさん、小竜姫様に話す時、かなり調子に乗りまくった
お陰で俺は、正義の味方っぽく振舞わなくては、ならなくなってしまった!
責任を取れ!糞ジジイ!!そんな訳で俺はバレたら即仏罰が下る命がけの演技を
するはめに……。
そんで俺は中学の演劇部に入部し、何で今更入ったのこの人?みたいな視線に
耐えながら修行だ。
おかげさまで演技出来るようになったよ!必死こいてドン引きされるくらい頑張ったよ!
コンチキショウ!!


「あの…京介さん。次の修行に入る前にこれで汗を拭いてください」

「あ…小竜姫様。ありがとうございます」


柔らかそうなタオルを渡してくれる小竜姫様。
ああ、癒される。
バレかもしれない恐怖と修行中に死ぬかもしれない恐怖の冷や汗を
拭きながら本気でそう思う。

「で、では次の修行に入ります。次の修行にクリアすれば京介さんはもう自力で
鬼を封印し続けることが出来るでしょう。」

「本当ですか!?」

ヤッホーーーー!!これさえ耐えれば俺は自由だーーーー!!
小竜姫様がこの場に居なければ、遠慮せずに狂喜乱舞して踊るぞ!!
溢れる気持ちを抑えて、笑顔だけにとどめる。
でも…チョーーうれしいぃぃぃいいい!!

「ただし、いまからする修行は今までの比ではありません。
この妙神山修行場の最高にして最難間の修行となりますがよろしいですか?」

「はい」←脳内トリップ中につき、無意識に答えたアホ

「では、これよりウルトラスペシャルデンジャラス&ハード修行コースを開始しますので
付いてきてください」

はっ!?いかんいかん少しトリップしていた。
どんな修行か聞いてなかったが、たしか小竜姫様についていけばいいんだよね?
そんな事を思いながらスタスタと歩いていく小竜姫様の後ろを付いて行く俺。
すると光の扉が前に現れた。
おそらく、いつもの異次元空間の入り口だろう。
よし!頑張るぞ!!戦略は勇猛果敢で命を大事に!!
矛盾しているが文句は受け付けない。
そして…光の扉を通った先にはなんと……壁や景色の無い部屋?のような空間で
あるのはイスが二つだけ……。

「では、このイスに掛けてください」

「え?イスに掛けるだけですか?」

「はい、そうですよ」


小竜姫様はこの部屋でどんな修行をするのか?と思えばただ一つのイスに座って
空いているもう一つのイスに座るよう俺に指示するのみ。
もしかして簡単な修行なのか?
少し気が楽になった俺は小竜姫様の指差すイスに座る。
すると……

ヴン

部屋が中華なお部屋に早代わり。
なんぞこれ?


☆☆☆


「ウキキ、ウッキー」

「この方が私の師匠、猿神の斉天大聖老師です。
今回の修行は老師に見てもらうことになりますので頑張ってください」

中華なお部屋から廊下を通って、さっきのイスのあった部屋よりも大きな部屋に案内された
俺。
そして、驚く事にその部屋では猿が格ゲーをしていたのだ!!
しかも、この猿はただの猿ではない、小竜姫様の紹介が正しければ、この猿はなんと
あの小竜姫様の師匠で誰もが知ってる孫 悟空と言うのだ。
し、信じたくねぇ……。
目の前でウキウキ言っているこのゲーム猿があの孫 悟空だなんて……



それから俺はお猿の世話をする事になりました。

どうしてこうなった?修行は!?



☆☆☆


お猿の飼育を始めて半年。
もしかして最後の修行ってこの猿が死ぬまで世話をしろと言うのですか?
俺、そろそろ限界なんですけど……。

「ふむ、左手に封印されている鬼の影響かの?以外に時間が掛かったわい」

「へ?」

疲れて、うつぶせになっているとお猿が話しかけてきた。
喋れるの?

「どりゃぁあああ!!」

お猿の叫び声が聞こえた後、飼育(修行)を始める前の空間に戻っていた。
おや?これは一体どういうことだ?首をかしげていると
お猿が目の前に現れ事情を説明し始めた。

「これは修行を始めるための準備運動じゃ。お前の魂はわしの精神エネルギーを大量に受けて
加速状態にあったのだ。あの仮想空間でわし等三人は繋がって居ったのじゃよ。
そして、加速状態から介抱された今、お主の魂は一時的に出力を増しておる。
その隙に己の潜在能力を引き出せ!さもなくば死ぬぞ!!」

「マジで!?」

吼えた後、お猿は巨大なお猿となって、俺に襲ってきた。
半年ぶりの命の危機!いやさっきのは加速状態だったから数十分前ぶり?
って、そんな事を考えている場合じゃない!!

ドゴォオオオオン!!

お猿の武器らしい如意棒をいつの間にか装備した猿はとんでもない速度で
それを俺に振り下ろした。

「あ、あぶねぇ~~!!」

なんとか避けた俺だが、お猿の一撃はとんでもない威力でさっきまで俺が立っていた
地面が深く抉れてしまった!

「さあ!死ぬか潜在能力を引き出して生きるか!!お主が選ぶがよい!!!」

「げっ!?」

とんでもなく早いお猿の拳。
どんどん俺に迫ってくる。
あれ?もしかして俺この一撃を受けたら死ぬんじゃね?
さっきの如意棒の威力を考えると拳だけでも車にひかれるくらいのダメージは
あるのではないだろうか?


いやだ…

いやだ……!!

人並みの幸せも送ってないのに死ぬのは嫌じゃーーーー!!!


ドクン!



 
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