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レーヴァティン

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第百九十二話 港を見てその六

「ましだ、革命やカルトよりな」
「よくカルトはお金にもこだわりますが」
「それは詐欺師だからな」 
 人を騙して儲ける、それも目的にしているからだというのだ。
「そうしつつだ」
「己のいい様に人を操り」
「そして戦も起こす」
 金儲けをしつつだ。
「自分達だけに集まる様にする」
「実に卑劣ですね」
「だから俺はそうした奴にはだ」
 それこそというのだ。
「なる気はない」
「決してですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そのつもりだ」
「だからこそ今も」
「東国とも商いをしてな」
「そちらからもですね」
「この浮島を一つにする」
 こう言うのだった。
「そのことを進めていく」
「では」
「その様にな、それと駿河からも攻めるが」
「伊豆、相模に入り」
「相模の小田原城だな」
 何といってもというのだ。
「そして甲斐からは江戸城だが」
「この二つの城については」
「やはりより調べてだ」
 そのうえでというのだ。
「どう攻めるかをだ」
「考えていきますね」
「今もある程度考えているが」
 それでもというのだ。
「さらにな」
「考えていきますね」
「そして攻めて」
 そのうえでというのだ。
「攻め落としたい」
「やはりそうなりますね」
「どちらの城も堅固であり巨大だからな」
 それだけにというのだ。
「そして江戸は東国一の街でもある」
「城下町も栄えているので」
「江戸の街は傷付けずにな」
「手に入れたいですね」
「そう考えている」
 これまで自分が言っていた通りにというのだ。
「やはりな」
「それならですね」
「どう攻めるか、そして攻めずに済むのならな」
「やはり最善ですね」
「江戸は特にな、あの街には数十万の民がいて」
 そしてというのだ。
「賑わっているからな」
「それだけにですね」
「そのまま欲しい」
 これが本音だった。
「城ごと街もな」
「その両方を」
「俺はこうした時は欲が強い」
 こと政のことではというのだ。
「大きなものは出来るだけだ」
「無傷で手に入れる」
「そのままな、そうしたい」
「だからですね」
「江戸の街も城もでだ」
「そこにいる民達も武士達も」
「そして銭も武具も兵糧もな」
 そうしたものまでとだ、英雄は謙二に話した。 
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