オズの木挽きの馬
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第十二幕その十
「最初からカラーですぐに画面が出たのは」
「そこは違うわね」
「映画もそうだったしね」
「オズの国はお伽の国だから」
こう言ってきたのはドロシーでした。
「魔法の力もあるから」
「だからだね」
「外の世界よりもね」
「文明が進んでいたりだね」
「もっと凄いことにもね」
その様にもというのです。
「なるのよ」
「それがオズの国だね」
「そうなの」
ドロシーは今度は葡萄ジュースを飲みつつ木挽きの馬に答えました。
「外の世界の技術がね」
「もっと凄いものになるんだね」
「そうよ」
「そこは流石オズの国だね」
「そしてスマートフォンも」
これもというのです。
「凄い機能が一杯あるわね」
「ここまでのスマートフォンは外の世界にないです」
恵梨香が答えました。
「本当に」
「そうなのね」
「はい、本当に」
実際にというのです。
「他にはないです」
「そうなのね」
「それと」
「それと?」
「動画も面白いですね」
「ああ、オズの国の動画サイトの」
ドロシーも頷きました。
「あそこにあげられる動画も」
「そうですよね、つぎはぎ娘も動画投稿していますし」
「あの娘の歌とダンスは凄いから」
「それで、ですよね」
「幸村さん達は動画視聴するのかしら」
黄金の羊はふと思いました。
「そうなのかしら」
「観ていますぞ」
幸村さんは黄金の羊に微笑んで答えました。
「それがし達も」
「そうですか」
「そちらでも学問も出来ますし」
それにというのです。
「面白い漫画やアニメもあるので」
「幸村さん達もそういうの観るの」
「はい」
そうだというのです。
「毎日観ています」
「成程、じゃあね」
黄金の羊は幸村さんのお話を聞いて頷きました。
「幸村さん達が動画を投稿することはあるかしら」
「今まで考えませんでした」
「そうだったの」
「言われるまで」
「そうなのね」
「まあ拙者達は観る方で」
それでというのです。
「自分達では」
「興味ないの」
「動画を投稿するよりも」
それよりもというのです。
「これまで通りです」
「学問や武芸になの」
「励むつもりで」
そう考えていてというのです。
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