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レーヴァティン

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第百八十六話 川を使いその七

「一切な」
「そうなんだな」
「病気は管理している場所でもゼロじゃないからね」 
 感染する可能性はとだ、剛も言った。
「どうしてもね」
「そうなんだよな」
「そうした場所はどうしても」
「付きまとう問題だな」
「この浮島も東の浮島もね」
「そこが問題なんだよな」
「だから注意しないと」
 治るにしても性病の問題にはというのだ。
「どうしてもね」
「それでお前もか」
「そうしたお店には行かないよ、ただね」
「それでも存在はか」
「否定しないし必要だとね」 
 その様にというのだ。
「思っているよ」
「そうなんだな」
「うん、じゃあそうした場所に兵を行くことも認めながら」
「これからだな」
「ブダペストを囲んで」
「それからどうするかだな」
 久志は剛に笑って言ってだった。
 捕虜達をとりあえずは後方に護送させて馬達は軍に入れた。そのうえでブダペストの街に向かった。
 ブダペストはドナウ川を挟んであった、その為帝国軍も川を挟んで街を囲んだ。とりあえず包囲はしたが。
 久志は街の高い城壁を見ながら剛に言った。
「ここはな」
「うん、どう攻めるかだね」
「城壁から攻めるよりもだ」
「川から攻めた方がいいね」
「この街は水運で栄えてるな」
 川を挟んであることから言った。
「だったらな」
「その水運を使ってだね」
「攻めた方がいいな」
「船で川から攻めるね」
「そっち側の守りも薄いしな」
「だからだね」
「これから水軍をこっちに集めて」
 ドナウ川に展開させている彼等をというのだ。
「そしてな」
「そのうえでだね」
「ああ、船に軍勢を乗せて」
「街に上陸するね」
「そうして攻めるか、もう街に軍を入れてみせた時点でな」
 そこでというのだ。
「降伏勧告するか」
「それで降ればよしだね」
「ああ、それじゃあな」
「今からだね」
「水軍集めるな」
 まずはこうするとだ、久志は決めた。
 そのうえでだ、その水軍に兵を乗せてそうしてだった。
 攻めさせた、すると久志の予想通りだった。
「川の方の守りは非常に脆く」
「街の中に入れたな」
「はい、そして両岸の港湾部を全てです」
 源三は久志に話した。
「掌握出来ました」
「そうしたらもうな」
「水運で栄えている街ですから」
「これでな」
「喉を完全に抑えました」
「そうだな、もう連中は息すら出来ない」
 その状況に追い込んだというのだ。
「それじゃあな」
「後はです」
「降伏勧告をするか」
「河川を利用する街で港を抑えますと」
「ものが入らなくなるからな」
「当然食糧も」
「本当に息すら出来ないな」
 まさにというのだ。 
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