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レーヴァティン

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第百八十六話 川を使いその八

「そうした状況だな」
「そうかと、では」
「降伏勧告をしてな」
「それで頷けばですね」
「よしとするな」
 そのまま帝国に組み入れるというのだ。
「それで若しな」
「断わるのなら」
「攻めるな」
 その様にするというのだ。
「そうするな」
「その時は仕方ないですね」
「もう砲撃や術の攻撃でな」
「城壁を壊し」
「港湾から攻め込んでな」
 そうしてというのだ。
「攻め落とすな」
「それでは」
「ああ、使者を送るな」
「そして降る条件は」
「帝国に入ればいいさ」
 それでというのだ。
「地位とかはそのままだよ、財産もな」
「保証しますね」
「帝国に入ればいいんだよ」
 それでとだ、久志は源三に話した。その考えはこの時も同じであくまで無駄な命を欲してはいないのだ。
「それでな、じゃあな」
「その条件で、ですね」
「降ってもらうな」
「それでは」
 源三も頷いた、こうして使者が送られ。
 ブダベストの領主は頷いた、これで帝国は今回の目的を果たした。
 久志は仲間達そして帝国軍と共に入城を果たした、そのうえで。
 街の宮殿に入りそこで勝利を祝う宴を行った、久志は最高級のトカイを飲みそのうえで仲間達に対して言った。
「これでな」
「また一つの戦が終わったわ」
 双葉が応えた。
「そうなったわ」
「そうだな」
「無事にね」
「今回も色々あったけれどな」
「そうね、けれどワルシャワも手に入れたというし」
 進太達が率いるそちらに向かった軍勢もというのだ。
「これでね」
「浮島東方のかなりの部分を手に入れたな」
「ええ、後はね」
「北の大国だな」
「あの国をどうするかよ」
「その段階に来たな」 
 英雄は考える顔になって述べた。
「いよいよ」
「それではね」
「暫くは暫定的な統治を行ってな」
「それと共に軍を休ませて」
「そしてな」 
 その上でと言うのだった。
「次はな」
「北の大国ね」
「あの国を攻めるな」
「そうするわね」
「問題はどう攻めるかだけれどな」
「それは今から考えるとして」
「詳しくはな、けれどな」 
 久志はさらに言った。
「もう敵は決まった」
「北の大国ということで」
「あの国を降して」
「浮島東方を完全に掌握するわね」
「ああ、東方を完全に掌握すれば」
 その時はというと。 
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