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レーヴァティン

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第百八十話 トランシルバニアへその一

               第百八十話  トランシルバニアへ
 久志はまずはガラツとその周辺の掌握にかかった、すぐに使者を送りかつ金や宝を送り地位も保証してだった。
 ガラツ周辺の諸勢力をまずは従えた、そうしてだった。
 久志はガラツにおいて仲間達に話した。
「ガラツの周りは幸いな」
「一戦も交えないで掌握出来たね」
 淳二が笑って応えた。
「幸い」
「ああ、じゃあ東欧の足掛かりは築いたしな」
「次だね」
「次はな」
「北と西に進むね」
「北はもう勢力圏にいればオデッサからな」
 黒湖沿岸にあるこの港町からというのだ。
「北西。ワルシャワを目指してな」
「向かっていってね」
「西はな」
 こちらはというと。
「ブカレストからトラシルバニアに入って」
「さらに進むね」
「こっちはブタペストまでな」
 この街までというのだ。
「進むな」
「そうしていくね」
「それで騎士団の喉元までな」
 そこまでというのだ。
「匕首を突き付けてな」
「そうしてだね」
「騎士団を動けなくして先の足掛かりまで築いてな」
「北の大国だね」
「あの国との戦いにな」
 それにというのだ。
「入るは」
「それからだね」
「ああ、ただ連中も馬鹿じゃないだろ」
 その北の大国もというのだ。
「そうだろ」
「自分達を狙っているのがわかっているから」
「攻めて来ることもな」
 このこともというのだ。
「やられる前にやれでな」
「考えられるね」
「だからな」
 それでというのだ。
「黒湖沿岸部の守りはな」
「固めておくね」
「そっちは頼めるか」
 久志はここで芳直に顔を向けて彼に告げた。
「そっちは」
「カフカスの方も掌握してか」
「浮島の東の端まで達してな」
 そうしてというのだ。
「そこまで掌握してな」
「そしてか」
「そのうえでな」
 それでというのだ。
「黒湖沿岸部はな」
「完全にだな」
「守ってくれ、そしてな」
「東欧を掌握したらな」
「次だ」
 そしてというのだ。
「その北の大国だ」
「あちらをか」
「攻めるからな、その用意もな」
「しておくことだな」
「東方の他の地域を制圧したら」
 その後はというのだ。
「もうな」
「すぐにか」
「あの国と戦うつもりだからな」
「俺っちはだな」
「そっちを頼むな」
「わかった」
 実際にというのだ。
「そうするな」
「それじゃあな」
「じゃあ俺達は二手に分かれてな」
 ガラツを拠点としてとだ、久志はあらためて話した。 
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