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レーヴァティン

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第百八十話 トランシルバニアへその二

「そしてな」
「北西を進む軍はワルシャワですね」
 夕子が言ってきた。
「あの街を目指し」
「バルト湖までな」
「進みますね」
「そしてもう一方はな」
 久志はさらに話した。
「西に進んでな」
「ブカレストを手に入れてそうして」
「ブタペストまでな」
「進みますね」
「こちらは補給にドナウ川を使うな」
「そうして川沿いにですか」
「進んでいってな」
 そのうえでというのだ。
「ブカレストからな」
「ブタペストまで、ですね」
「進むな、だから馬はな」
「北西の方にですね」
「多く回すな、川つまり船を使えたら」
 それならというのだ。
「補給が楽だからな」
「輜重隊の馬の分だけですね」
「北西の方の馬は多くするな」
「そうしますか」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「進んでいくな」
「わかりました」
「ドナウ川っていうか川を使うことが本当に大事だな」
 久志は街の実波そのドナウ川の方を見て言った、その川のことを今現在強く感じているだけにである。
「戦も政もな」
「そうですね、ナイル川もそうですが」
「浮島の東方はな」
「川が重要です」
「そのドナウ川もな」
「そしてボルガ川もです」
 この川もというのだ。
「重要です」
「だからどう使うかだな」
「そしてもっと言いますと」
 夕子はさらに話した。
「西もです」
「ライン川にセーヌ川か」
「そうです、とりわけライン川がです」
「大事だな」
「ですから浮島西方も」
「川を使っていくか」
「そうしていきましょう」
「これまでは湖だったけれどな」
 地中湖をというのだ。
「これからは川もだな」
「お水がどれだけ大事か」
 源三が笑って言ってきた。
「わかりますね」
「水運だな」
「飲み農業に使い」
「工業にも使ってな」
「水運もですから」
「本当に大事だな」
「まさに命です」
「そしてその命をどう使うか」
「それが分かれ目です」
「そうだな、しかしな」
 ここでだ、こうも言った久志だった。
「飲み水としてはな」
「一旦沸騰させないと」
「飲めないからな」
「さもないと危険です」
「生水はな」
「まずは沸騰させて消毒して」
「それから飲まないとな」
「危険です」
「そやで、生水は飲まんことやで」
 美奈代も言ってきた。
「絶対にな」
「冒険の時に言われてな」
「それからやな」
「心掛けてるさ」
「お水を飲むにはな」
「まず沸騰させてな」
「それで飲んでるな、ただ」
 美奈代は笑って久志に話した。 
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