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戦国異伝供書

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第百十二話 はったりその十三

「美味いのう」
「はい、茶は」
「水とは全く違いまする」
「ただ味がよいだけでなく」
「飲むと目が覚めます」
「そして何事にもやる気が出る」
 茶を飲みつつ言うのだった。
「これはよいのう」
「実にな」
「左様ですな」
「ではですな」
「これからはですな」
「時折でもな」
 それでもというのだ。
「茶を飲んでいこう」
「ですな、茶がもっと広まればよいですな」
「茶器にしても」
「ではですな」
「また機会を見付けて」
「飲むとしよう、そしてな」 
 政宗はさらに言った。
「南蛮との付き合いもな」
「あの目や髪の色が違う」
「その者達ともですか」
「してみようと思っておる」
 こう言うのだった。
「やがてはな」
「そうですが」
「南蛮との付き合いになりますと」
 二人で政宗に述べた。
「この奥羽ではです」
「どうしても難しいですな」
「九州や堺でとなっていますので」
「このことは」
「うむ、だが何とかな」
 政宗もそうしたことはわかっている、だがそれでもなのだ。
「大きな利になるというからな」
「それ故にですな」
「南蛮との付き合いも行う」
「そうしていきますか」
「やがては」
「そうしたい、これは明ともであるが」 
 この国ともというのだ。
「南蛮ともな、商いをしてな」
「大きな利を得て」
「我等の力とする」
「そうしますか」
「やがては」
「そうしたい」
 こうも言うのだった。
「やがてな、あと耶蘇教であるが」
「南蛮の教えですな」
「それですな」
「そちらはどうもな」
 耶蘇教はというと。
「よい」
「左様ですか」
「耶蘇教についてはですか」
「殿はどうでもいい」
「そう思われていますか」
「あくまで商いでじゃ」
 それでというのだ。
「利を得ることがわしの考えでな」
「耶蘇教については」
「どうでもいいですか」
「左様、何でも大友家は改宗してじゃ」
 その耶蘇教にだ。
「熱心に信仰しておられるとのことであるが」
「殿は、ですな」
「そうしたお考えはなく」
「改宗もですか」
「されませぬか」
「考えておらん」
 一切というのだ。 
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