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夢幻水滸伝

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第百六十七話 正攻法その八

 芥川は多くの星の者達に出陣を命じた、そうしてだった。
 自身は軍勢を率いて戦った、狐に乗って空に上がり采配を振るう。
「第四師団は東に行ってや」
「そしてやな」
「敵の攻撃を防ぐ」
「陣形はどうするんや」
「防御陣それもや」
 芥川は狐にさらに話した。
「槍襖を作って銃と砲を集中的に放つな」
「そうしてやな」
「それでや」
「敵の攻撃を防ぐな」
「第四師団はな」
「そうするんやな」
「あの師団を率いてたのは北原やったが」
「北原の旦那も一騎打ちに出たしな」
「師団長にはな」
 こちらの世界の住人である彼にはというのだ。
「あいつが戻るまでな」
「現場の采配執ってもらうな」
「そうしてもらう」
 こう言うのだった。
「まずはな」
「ほなな」
「それでや」
 芥川はさらに話した。
「第四師団は率いて敵を足止めしている間に」
「隣の第六師団にやな」
「第四師団を攻めている十個師団の側面を衝いてもらう」
 そうして攻撃してもらうというのだ。
「そう動かすわ」
「そうするか」
「そっちの戦局はな」
 戦場全体を見つつ狐に話した。
「そして喜久子ちゃんが率いてる第十八及び第十九師団はな」
「どう動かす?」
「敵の後方に向けて」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「敵の後方のか」
「補給や整備の基地を叩く」
 そうしてもらうというのである。
「そう攻めるで」
「それで敵の回復の術とか薬出せる兵をやな」
「その職業の将兵を優先的に攻撃してな」
「戦闘不能にしてくな」
「そうして継戦能力を奪っていって」
 その様にしてというのだ。
「追い詰めていくで」
「そうするな」
「そや、しかしな」
「今はやな」
「星のモンを四十人も一騎打ちに出した」
 連合の者達とのそれにだ。
「そやからな」
「全面攻撃には移れんな」
「僕と綾乃ちゃんがおってもな」
 それでもというのだ。
「それはまだ出来ん」
「限られた攻撃になるな」
「まだまだな」
「そういうことやな」
「そや、出来るだけのことを全部やるけど」
 芥川は真剣な目で話した。
「今はな」
「攻めるには手札が足りんな」
「あくまである程度や」
「一気には攻められんな」
「そや、これまでの戦より最初からおる星のモンが少ない」
 圧倒的な力を持つ彼等はというのだ。
「このことはな」
「覚悟してやな」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「攻めてくで」
「そうするな」
「間違っても壊滅はさせん」
 日本軍つまり自分達の軍をというのだ。 
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