| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百七十二話 甲斐平定その七

「やはりな」
「何度も読む」
「それがよいですね」
「読書百回といいますね」
「左様ですね」
「だから読んでいるが」
 今実際にというのだ。
「読むとな」
「実際にですね」
「よく学べますか」
「そうなのですか」
「俺もな、地図も確かめているが」
 世界のそれもというのだ。
「俺の世界とほぼ同じだ」
「石になっている世界は」
「そうなのですね」
「上様が目覚められた時の世界と同じ」
「同じ地図ですか」
「半島や島、川や湖もな」
 そうしたところもというのだ。
「ほぼ同じだ、ただ俺達の世界の五倍の大きさでだ」
「そして浮島がある」
「そして地下世界もある」
「そこが違いますね」
「上様が目覚められた時の世界とは」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「俺達の世界とはな」
「そうなのですね」
「面積が違う」
「そちらの世界は下の世界より小さい」
「そうなのですね」
「この世界は五倍は大きい」
 それだけ違うというのだ。
「俺達の世界は下の石になっている世界を五分の一に小さくした」
「そうした世界ですか」
「そうなのですか」
「そこまで違いますか」
「また川も下の世界の様に細かく様々な地域に流れていない」
 そこも違うというのだ。
「そしてオーストラリアの真ん中に大河がな」
「ないですか」
「あの川も」
「そうなのですか」
「そうだ、ない」
 そうだというのだ。
「そこはな」
「随分違いますね」
「そうなのですね」
「それはまたです」
「かなり違いますね」
「そうだ、そして猛獣はいるが」
 起きた世界にはというのだ。
「モンスターはいない、そして天界や魔界から神の使い等来ることも殆どない」
「そうですか」
「ではかなり違いますね」
「こちらの世界とは」
「こちらではそれが普通ですが」
 神が使者を送ってくることがというのだ。
「善神も悪神もそうしてきますが」
「それは上様の世界ではないですか」
「地図の形はほぼ同じでも」
「それでもですね」
「大きさも違い」
「他のことでもですね」
「何かと違う」
 こう幕臣達に話した。
「今話した通りな、ただな」
「ただ?」
「ただといいますと」
「種族は違ってもな」
 それでもというのだ。
「人の心は同じだな」
「人は変わらないですか」
「そうなのですか」
「あちらの世界でもこちらの世界でも」
「その心は」
「そうだ、美醜がある」
 その心にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧