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レーヴァティン

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第百七十二話 甲斐平定その六

「だからだ」
「左様ですね」
「ではですな」
「そうした女もですな」
「楽しまれる」
「そうされますな」
「そうする、では今日もだ」
 おかずの梅を食べた、その酸いが食欲を刺激する。
「楽しめ、いいな」
「わかりました」
「それではです」
「その様にします」
「これからも」
「それではな、俺は酒と女は夜だけだが」
 それでもというのだ。
「しっかりとな」
「楽しまれますね」
「夜に」
「そうされますな」
「そして昼は昼でな」
 無論朝もだ。
「楽しむ、だから皆だ」
「今日もそうする」
「務めて」
「そうしますな」
「そういうことだ、それとだが」
 英雄はこうも言った。
「書のことだが」
「上様は書もよく読まれますね」
「何かと」
「そういえばそうですね」
「お好きですね」
「今読んでいるのは下の世界について書かれたものだが」
 その書の話をした。
「随分と詳しく書いてあるな」
「下の世界のことを」
「今は石になり海に覆われている世界のことを」
「そうなのですか」
「それを読んでいるが」
 幕臣達に話した。
「随分広いな」
「はい、もう石になって長いですが」
「相当な広さです」
「そして地下にも世界がありまして」
「人も多いです」
「九十五億か」
 その人口の話もした。
「そしてこの二つの浮島にいるのは人間だけだが」
「それはあくまで例外です」
「この二つの浮島だけです」
「人間しか種族がいないのは」
「他の地域は様々な種族が存在していて」
「実に多彩です」
「何十もの儒族が存在しています」
 幕臣達は英雄に話した。
「上様も既にご存知だったと思いますが」
「そうした世界です」
「人は人間だけではありません」
「実に多くの種族が存在しています」
「この世界は」
「そうだな、エルフやホビットもいれば」
 英雄はその種族の話もした。
「リザードマンや犬人もいるな」
「上様の起きられた世界は人間だけとのことですが」
「この浮島と西の浮島もそうですが」
「下の世界は違います」
「やはり石になっている多くの浮島も同じです」
「何十もの種族が存在しています」
「実に多くの種族が」
「そうなっているな、既にデルフォイの図書館で様々な書を読みだ」
 その時に既にというのだ、英雄も実はそうしたことは既に知っていた。久志と共にこの世界の知識の多くはそこで得たのだ。
「知っていたが」
「あらためてですね」
「読まれているのですね」
「この世界について」
「書は一度読むよりもな」
 それよりもというのだ。 
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