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とある愚者の転生記

作者:冬夏春秋
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リリカルなのは編
  第十二話 さ、さぁ、がんばって探そう!

 
前書き
明けましておめでとうございます。

今年はなんとか定期的に書いていけるようがんばります。 

 
 それは小学二年生から三年生に移る春休みが終わる最後の土曜日の深夜だった。

 ジュエル・シード対策のために掛けておいた探索結界、月村邸となのはちゃん家から一番近い神社に張っておいたものに反応があった。



 ………………らしい。



 反応があったログは残っていたが、気付かず寝ていたようだ。

「さ、さぁ、がんばって探そう!」
「にゃぁ!」

 朝食を食べ終えた俺は皆に連絡し、リニスと一緒に月村邸に向かった。

 集まったのは、俺、リニス、頼人、すずか、アリサに加えて、忍さんとはやての7人。
 忍さんとはやてには屋敷で捜査本部として待機してもらい、リニスが敷地内に封鎖結界を張り、俺+すずか、頼人+アリサ、リニスの3組に別れて敷地内を捜査することにした。



「見つからないねぇ」
「くじけそうだ………」
 朝、集合して3時間探しているがどこの組も見つからない。
 当初は念話で話しながら探していたが、1時間もすると組同士の念話も減り、2時間経った後には念話はもちろん組の中での口数も減った。
 そして今では愚痴しかでない………。
 月村さん家、広すぎです。しかも、原作見る限り、林? 森? の中っポイので、探しながら歩くのはかなり歩きにくい。
 なんとなく、今なら魔力を流しジュエル・シードを強制発動したフェイトの気持ちがわかるような気がする。
 むしろ、位相をずらした封鎖結界の中で魔力を流すのなら、何かあっても被害は出ないからそのほうが良い気がしてきた。
 昼食を兼ねた休憩の時に提案してみよう、そう考えていたら、休憩の連絡があった。



「「「「何でもっと早く言わないのよ!(んだ!)(んですか!)」」」」 
 4人とも散々歩いて疲れていたんだろう、提案したら怒られた。
 みんな気付かなかったのに理不尽だ!
 しかし、そんなことはもちろん言えなかった。



 で、リニスが結界維持、頼人が魔力を流す、俺・すずか・アリサの3人で捜索・封印の役割分担で改めて再開。

 すぐ反応がありました。

 そして、事件はその時起こった………。





 なんて、シリアスになることもないんだけどね。



 どうも、ジュエル・シードを拾ったときに、「はぁ~。面倒くせぇ~~。後20個集めないといかんのかぁ~~~」と思ったのがまずかったらしい。

 一瞬で他の20個が転移して集まってきた。

「ちょ。マジか。」と思う暇もない程すぐに、ジュエル・シードがお互いに干渉し合い、活性化し始める。
「これは、次元震が起きる!?」と慌てた俺は、片っ端から捕まえて、とにかくジュエル・シードを四次元ポケットにしまう。

 後は、何事かと集まってきた皆に説明し、1個ずつ四次元ポケットから取り出し封印し、封印し終わったジュエル・シードを四次元ポケットに片付けた。





 なんか、リニスと頼人と3人で散々どう集めるかを考えたのに、1日というか一瞬で21個集め終わってしまった。
 楽でいいけどなんだかなぁ。
 「お疲れさん」とお互い慰め合って、午後のお茶会に参加してジュエル・シードの探索は終わりました。






 その後の、とある1日

「ぐすっ………………、ひっく………………、うぇぇぇぇーん」
「あぁ、もうフェイトぉ、泣かないでおくれよぉ」

 ここは人通りも多い海鳴商店街。
 小学生ぐらいの少女が半べそをかいて歩いていた。
 少女は長く美しい金髪をツインテールにし、赤い瞳の(まなこ)を真っ赤にしていた。
 一緒に歩く女性はオレンジの髪を腰まで流し、ボリュームのある母性の象徴とかなりの身長にも関わらず、どこか活発な印象を皆に与える。
 ただ、今現在は泣いてる少女をなんとか泣き止ませようと一所懸命である。

「すぐ集まるかと思っていたけど………、甘かったかぁ」
「う、うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえん」

 はぁ、と思わずつぶやいた言葉に少女が反応し、いっそう泣き出した。

 目的のブツを探してこれでもう1週間になる………。
 使い魔たる己が主の姉の復活がかかっているのだから探すのに否やはない。ましてや、少し前から一緒に住んでいるオリシュのおかげで主の母子の仲は良好だ。なんとかしたいとは思う。思うが、この広い惑星の中で多分この辺という程度の情報の上に、無人世界でもないので大っぴらに魔法も使うこともできないので、なかなか探し出すことができない。

 勢い勇んで探しに来たが、ここまでまったく空振りだとどうしようもない。
 2人で探すには範囲が広すぎて限界かも知れない。

「2人にも手伝ってもらおうか………」
「それは、ダメ………」

 ぐずぐずと鼻をすすって返事をする瞳には、あきらめてない闘志がかいま見える。

「2人にはしっかりと研究してもらわないと………」
 確かにオリシュとプレシアはジュエル・シードを集めた後の研究が大詰めで、とてもでないが探索にまで手は回らないだろう。
 まぁ、それでも頼めばオリシュならなんとかしそうだが。

 どうやら大泣きしてフェイトの気持ちも浮上したようだ。まぁ、たまにはこの優秀すぎるご主人様の年相応な姿を見るのも良いかもしれない。

「さぁ、もうちょっとがんばろう」

 フェイトの意志は固い。例え成果が出ていなくても、大好きな母が集めてと言ったんだ、それに応えなくては、と朝早く仮のホームを出て、夕暮れになると仮のホームに戻る毎日を1週間続けてる。必ず休みを取りなさい、とオリシュに言われているので、無理はしていない。ただ、無理はしない範囲で最大限の努力している。
 それでも見つからなかった1週間に心折れかけたがなんとか持ち直したようだ。

「行くよ、アルフ、バルディッシュ」
「あいよ」
『サー』

 探すはジュエル・シード。そう21個が集まるまで………。



 この探索がまったく無駄だったとわかるのにはもう1週間ほどかかるのだった………………。   
 

 
後書き
はい、ジュエル・シードは集まりました。
転移してきて2日で集まってしまった上に、念空間に隠されているので後発組にはまったく反応しません。

後ろは視点をアルフ視点に変えてます。なお、この作品のフェイトは少々 ポンコツ ではなく、幼くなっていますが、母の愛で満たされて幸せになって年相応の部分が出て来ていると思ってください。なので、仮になのはと戦闘になっても「哀しい瞳がうんぬん」なんてことはありません。 
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