八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十一話 三人になってその十三
「創立されて」
「今もそのことをなのね」
「第一に考えているんだ」
「そうした学園なのね」
「うん、やっぱりね」
何といってもだ。
「お互いを認め合わないとね」
「駄目よね」
「十字軍みたいなことしたら駄目だよ」
これはあんまりだと思う、南フランスへのアルビジョワ十字軍もバルト海沿岸部への東方十字軍も酷かった。キリスト教徒でないのなら殺していいとか異端は皆殺しとか本当に碌でもない話だと確信している。
「間違っても」
「あれは酷いわね」
「あんなことは論外だから」
「その考えからよね」
「うちの学園はね」
「お互いを認め合うことを教育理念にしているのね」
「あらゆる宗教の人達がね」
文化も民族も人種もだ。
「そうなる様にしているんだ」
「いい教えよね」
「まだ世の中階級制度の国もあるけれどね」
北朝鮮のことだ、国民あちらで言う人民の人達を革命にどうとか血筋で階級化している。世襲制の国家元首といい何処が共産主義かと思う。
「そうしたこともね」
「否定しているわよね」
「うん、人間色々違いがあるけれど」
それでもだ。
「やっぱり同じ人間だからね」
「宗教が違っても」
「だからお互い認めないとね」
「駄目よね」
「だからうちの学園差別とかに五月蠅いんだ」
そして偏見にもだ。
「厳しいよね、そういうの」
「確かにね」
「宗教が違うって差別したりね」
「いじめたりね」
「人種や民族でもね」
「そういうのは本当に厳しいわね」
香織さんも実感して言う。
「全体的に校則は緩やかでも」
「それでもね」
「そうしたところは厳しいわね」
「もう普通に停学とかになるから」
そうしたことで問題を起こすとだ。
「停学の間きついお仕置きもあるし」
「ただの停学じゃなくて」
「ボランティアとかさせられるから」
「そうした学園なのね」
「うん、けれどそれでいいと思うよ」
僕にしてもだ。
「どの宗教にも文化にもいい点があるから」
「そこを認めることね」
「自分と違うからって差別したら」
それこそだ。
「自分がされたらどうか」
「そうなるわね」
「よくネットで平気で差別用語出して差別を行ってる人がいるけれど」
顔も名前も出ないと思ってだ。
「こうした人って自分がされるとね」
「物凄く怒るわよね」
「烈火の如くね」
そうなることは火を見るより明らかだ。
「自分のことは棚に上げてね」
「そうよね」
「まあ差別主義者には何をしてもいいって人もいるけれど」
差別主義者はどんな迫害を受けても文句を言えないという考えで行動する人も世の中には存在するのだ。
「これはこれでね」
「問題よね」
「うん、確かに差別はよくないよ」
このことは紛れもない事実だ。
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