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ドリトル先生の野球

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第六幕その十

「勝負強いとか左ピッチャーに強いとかいう特徴はないけれど」
「安定感があって」
「三振もかなり少ないね、特に」
「特に?」
「ダブルプレーを打つことが少ないね」 
 これもあるというのです。
「殆どないよ」
「それはいいことですね」
「ダブルプレーはね」
「自分もアウトになって」
「ランナーの人もアウトになるからね」
 それでというのです。
「もうね」
「かなり落ちますよね」
「それだけでね、とはいっても犠打はね」
「送りバントですね」
「それを言われる人でもないしね」
 こちらはないというのです。
「長打率があるから」
「安定感もあるので」
「打順は四番であることが殆どだし」
 クリーンアップの中核です。
「だからね」
「送りバントはなくて」
「それよりもね」 
 むしろというのです。
「ヒッティングだけれど」
「そのヒッティングでもですね」
「ダブルプレーがね」
 それを打つ時はというのです。
「殆どないから」
「そのことはいいことですね」
「あれはアウト二つに」
 それに加えてというのです。
「チームの士気にも関わるから」
「よくないですね」
「打ってしまうとね」
 どうしてもというのです。
「だからね」
「それで、ですね」
「彼はね」
「バッターとしてもですね」
「いい選手だよ」
「そうですね」
「だからね」
 それ故にというのです。
「プロ野球選手になれば」
「活躍してくれますね」
「必ずね、だからね」
 それでというのです。
「プロ野球選手になって欲しいね」
「そして理想はですね」
「阪神だよ」
 このチームにというのです。
「入団して欲しいね」
「投手陣をさらによくしてくれてしかも打ってくれる」
「そんな人だから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「阪神入団をですね」
「僕としては願うよ」
「後は阪神とその人次第ですね」
「そうなるよ、それでも」 
 ここでこうも言った先生でした。
「僕達はまだ彼とお話していないね」
「練習は観てもね」
 王子が応えました。
「それでもね」
「そうだよね」
「そのことがだね」
「僕としてはね」
 どうにもという口調で言う先生でした。 
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