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ドリトル先生の競馬

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第十二幕その十

「だからね」
「そうよね、それがね」
「羨ましいかな」
「私にとってはね。けれど来日したから」
「これを機会にだね」
「楽しませてもらうわ」
 是非にという言葉でした。
「私もね」
「そうするね」
「すき焼きと日本酒を」
「その二つを満喫するね」
「今から楽しみよ」
 こう言ってでした、サラも王子のお家にお邪魔しました、そうして皆ですき焼きを食べますがここで、です。
 王子は先生に笑ってこんなことをお話しました。
「先生馬刺しも好きだね」
「うん、美味しいよね」
「前に乗馬部の子達の為にアドバイスとかをしていたけれど」
「そうだね、けれどね」
「食べることはだね」
「するよ、僕はこうしたことはね」
「別だね」
 こう先生に言うのでした。
「そうだよね」
「そうなんだ、嫌いな食べものはね」
 それこそというのです。
「ないよ」
「そして命をだね」
「有り難く頂くんだ」
「そうした考えだよね」
「僕はね」
「そうだね、何かそうした考え方が」 
 先生にこうも言うのでした。
「日本的だね」
「大事にすると共に食べて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「命を頂く」
「この考えもだね」
「日本的だと思うよ」
「日本人は命を頂く」
「そう考えるね」
「そしてね」
「食べるね」
 こう言いながらでした、そしてです。
 先生はここでまた言ったのでした。
「万物にはそれぞれ命があるんだ」
「生きものでなくだね」
「植物にもね」
「つまりお野菜や果物にもだね」
「そう、命があって」
 そうしてというのです。
「それを食べるという形で頂いている」
「それが日本だよね」
「日本人の考え方だね」
「何か日本人って」
 王子はふと自分が持っているお箸を見ました、そしてそのうえで先生に対してこうもお話しました。
「ものにまでそう言うよね」
「うん、神羅万象のね」
「あらゆるものに魂がある」
「そうした風にね」
「だから何でも大事にすべきだって」
「この考えもね」
 まさにと言う先生でした。
「日本人の考えで」
「今も残っていて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。 
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