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レーヴァティン

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第百五十七話 完全破壊その七

「ここはそうするな」
「それでは」
「ああ、じゃあな」
「建物を一つずつですね」
「攻撃だ、そこにいる敵ごと倒せ」
 久志は命じた、そしてだった。
 カルタゴの街に入った帝国軍は城壁も破壊していきさらに家や施設の建物も破壊していった。そうしてだった。
 徐々に進軍していく、すると建物に隠れていたり建物と建物の間の道から奇襲を仕掛けようとする敵もおらず。
 その分順調に進めた、だがそれでもだった。
 久志は敵襲のことを聞いて苦い顔で言った。
「くそっ、今度はそっちを使ってきたのかよ」
「はい、下水道を使ってです」
「その中を行き来してです」
「そうして攻めてきています」
「地下道にして」
「街だからな」
 それならとだ、久志は苦い顔のまま言った。
「だからな」
「下水道があってや」
 美奈代も苦い顔で言ってきた。
「そうしてな」
「そこから奇襲を仕掛けることはな」
「充分考えられたことやった」
「そうだよな」
「パルチザンやな」
 美奈代はここでこの存在の名前を出した。
「これもゲリラや」
「ああ、正規の戦術じゃないな」
「そや、いきなり出て来て攻撃してきてな」
「去ってくな」
「そうした連中や」
「よし、じゃあな」
 下水道を使って奇襲を仕掛けてくる敵兵についてだ、久志は述べた。
「ここはな」
「どうするんや?」
「下水道の出入り口は占拠した部分のそれは全部出入口に兵を置いてな」
「出て来たところを攻めるか」
「そうするな、モグラ叩きもな」
 久志は自分達が起きた古典的なゲームの話をした、例え話としてこのゲームがここでは相応しいと思ったからだ。
「出て来る場所を抑えたら楽だよ」
「全部抑えられたらな」
「後はもう待ってればいいんだ」
「それでやな」
「折角兵は多いんだ」
 このことも活かしてというのだ。
「そうしていくな」
「ほなやな」
「ああ、出入り口に兵達を置いてな」
「攻めるな」
「そこに毒霧を放つこともな」
 そうすることもというのだ。
「するな」
「毒ガスみたいにするな」
「毒じゃなくてもいいさ、炎でも氷でもな」
 霧ならというのだ、錬金術で使うそうしたものならだ。
「放つさ」
「そうして攻めていくな」
「これでいいよな」
「ええと思うで」
 美奈代は久志の提案に明るい笑顔で応えた。
「それで」
「よし、じゃあな」
「そうしていってやな」
「攻めるな」
「下水道を使う敵にはな」
 こう言って実際にだった。
 久志は下水道の出入り口を全て抑えてだった、そのうえで敵のそちらからの奇襲を防いだ。そこからさらにだった。 
 街を攻めていった、街はまさに建物一つ一つをそこにいる兵達ごと攻撃し潰していった。そうしてだった。
 遂にだ、街は残るはスパルタ政府の政庁だけになった。久志はその政庁まであと数画の距離まで来て言った。 
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