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レーヴァティン

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第百五十六話 一騎当千の者達その十四

「このままな」
「戦っていってね」
「倒して捕虜にするスパルタ兵を増やしていくな」
「そうしていくわね」
「ここで奴隷の叛乱を誘い出したいがな」
「だから彼等は武器を一切持っていないから」
 それでとだ、清音は久志に話した。
「何しろハンマーとか鋏とか仕事に使うものまでね」
「貸し出していてな」
「仕事が終われば回収しているのよ」 
 仕事がはじまる時に渡してというのだ。
「最初から叛乱を起こさせない様にしているのよ」
「徹底してるな」
「ええ、ハンマーとかは武器になるから」
 それ故にというのだ。
「叛乱の時に頼りになるわ、けれど素手だと」
「そうそうな」
「相手が完全武装してるの見たらもうね」
 自分達が素手ならというのだ。
「それだけでね」
「叛乱起こす気なくなるな」
「だからよ」
「スパルタは奴隷には武器を持たせないんだな」
「そして仕事道具もね」
 武器になりそうなそういったものもというのだ。
「渡さないのよ」
「だから奴隷は戦わないか」
「もっと言えば戦えないのよ」
「そういうことか」
「ええ、だからね」
「俺達が戦うのはスパルタ市民だけか」
「そうよ、武装したね」
 武器や防具でというのだ。
「その人達だけだから」
「そう考えると楽だな」
「ええ、じゃあね」
「暫く戦っていくか」
「そうして捕虜を手に入れていって」
「敵の戦力奪っていくか」
「そうしていきましょう」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 久志はゲリラ戦術を仕掛けてくるスパルタ軍の将兵達を少しずつでも捕虜にしていき戦力を奪っていった、スパルタ軍との戦は会戦の後はそうした戦になっていたが彼等はそれでも果敢に戦っていっていた。


第百五十六話   完


                 2020・4・1 
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