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レーヴァティン

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第百五十四話 都市国家同盟その四

「やっぱりな」
「野戦か」
「外での戦や」
「それがここの伝統か」
「そや、それでな」
「兵の数が少ないなら籠城が筋でもな」
「ここは殆ど籠城せんのや」
 美奈代は久志に話した。
「そもそも都市国家が籠城するとな」
「その街だけで籠城だからな」
「同盟結んでないと孤城になってな」
「兵糧攻めになって終わりだな」
「そうしたとこやさかいな」
 それ故にというのだ。
「どの勢力もな」
「籠城しないでか」
「外での戦を挑むんや」
 野戦、それをというのだ。
「この半島の諸都市国家群は」
「それがここの文化か」
「戦のな」
 それになるというのだ。
「それでや」
「相手の方が兵が少なくても」
「そうしてくるわ」
「そうか、じゃあな」
「野戦でやな」
「正直籠城よりもな」
 相手の兵が少ないならとだ、久志は話した。
「野戦の方が楽だしな」
「そこでまた楽やな」
「っていうか戦はな」
「楽にやな」
「進むのがな」
「ええな」
「やっぱり籠城戦になるとな」
 どうしてもという口調でだった、久志は語った。
「相手の守りが堅いからな」
「城壁に堀、櫓にで」
「ああ、だからな」
「野戦で済んだらな」
「それに越したことはないさ」
「ほんまにそやな」
「だから都合がいいな、とはいえスパルタ軍が籠城戦とかな」
 それはとだ、久志は考える顔でこうも言った。
「実はどうもな」
「考えられんな、それは」
「ああ、あそこは常に外で戦ってな」
 即ちスパルタを出てだ。
「野戦で決着をつける」
「そんなイメージ強いな」
「アテネもテーベもな」
「実際にそっちが主やし」
「だったらな」 
 それならとだ、久志はあらためて語った。
「そこで決着をつけるな」
「その野戦で」
「そうするな、じゃあ先に来る方をおびき出すか」
 アテネにしてもテーベにしてもとだ、久志は言った。
「まずは」
「そしてやな」
「各個撃破するな」
「ほなな」
「ではそれがしが騎兵隊を率いて」
 進太がまた言ってきた。
「そのうえで」
「敵軍をおびき出してくれるか」
「テーベ軍でもアテネ軍でも」
「そっちは頼むな、じゃあ準備が出来たらな」
「出陣して」
「アテネ軍もテーベ軍も各個撃破していくか」
 久志は冷静に言った、そしてだった。
 彼は軍の出陣の用意が整うとその時点で出陣を命じた、二十万を超える大軍でサロニカから南下していくが。
 やはり動きは遅い、それで彼は進太に言った。 
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