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レーヴァティン

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第百五十四話 都市国家同盟その三

「やっぱりな」
「各個撃破の方が楽だしね」
「だからな」
「そうしていくんだね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「こっちは大軍でな」
 久志はさらに言った。
「地の利もないからな」
「その進軍は遅いね」
「それがネックだな」
 このことについても言うのだった。
「やっぱりな」
「それだね」
「だから各個撃破しようと思ってもな」
「こっちの動きが遅くてね」
「敵に合流される恐れもあるな」
「そこが問題だね」
「やっぱり楽に勝つにはな」
 このことを念頭に置いてだった、久志は言った。
「各個撃破に限るからな」
「だからこちらの動きの遅さをどうするか」
「それが問題だな」
「ならでござる」
 ここで進太が言ってきた。
「敵の一方をおびき出して」
「ああ、そしてか」
「その一方を倒し」
「そして残る一方をか」
「そうすればどうでござるか」
「それがいいな」
 まさにとだ、久志は進太のその言葉に頷いて述べた。
「ここはな」
「ではでござるな」
「ああ、仕掛けるか」
「敵を誘い出すことを」
「そうしてな」
 そのうえでとだ、久志は進太に話した。
「アテネとテーベの軍勢をな」
「それぞれ別々に倒していくでござるな」
「そうするか、最初は連合軍を一度に相手にしてな」
「そこで倒すつもりでござったな」
「けれど考えてみればな」
「各個撃破の方が楽なので」
「だからな」
 それでというのだ。
「おびき出してでもな」
「各個にでござるな」
「叩くな」
「では」
「出陣したらな」
 その時はとだ、久志はさらに言った。
「敵の動き次第でな」
「おびき出して」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「戦っていくな」
「それでは」
「敵は三つ、その三つをな」
 全てというのだ。
「倒すな、それぞれ」
「では」
「それとな」
 久志はさらに言った。
「敵の勢力はわかってるけれどな」
「どういった規模か」
「連中は籠城とかしないな」
 街即ち城に籠って戦うことはというのだ。
「それは」
「何処も出て来るで」
 野戦を挑んでくるとだ、美奈代が久志に答えた。
「商人のルートからも情報聞いてるけどな」
「そうだよな」
「どの勢力も籠城の考えはなくてな」
「出て来てだな」
「野戦をや」
「やっぱりそうだよな」
「この半島の都市国家の戦っていうたら」 
 このことからだ、美奈代は話した。 
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