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レーヴァティン

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第百五十一話 自信を砕きその八

「戦おうね」
「そうするか」
「これからね」
「要塞を攻めた時みたいにか」
「徹底的に攻めようね」
「それじゃあな、ただな」
 ここで久志はこうしたことも言った。
「問題は市民だな」
「ロードス島にいる」
「市民を巻き込むことはな」
「それは絶対に避けないとね」
「どうしてもな」
 久志は難しい顔で話した。
「市民を巻き込むことはな」
「出来ないよね」
「それはな」
 どうにもと言うのだった。
「それでな」
「それは避けないとね」
「お前もやっぱりな」
「僕はモンスターや敵軍とは戦うよ」
 剛もそれはと答える。
「喜んでね、けれど僕の斧はね」
「モンスターや敵軍に向けるものであってか」
「市民とか家畜とかね」
「無抵抗な相手に向けるものじゃないよな」
「捕虜にもね」
「そうだよな、俺もだ」
 久志もそれは同じとだ、剛に答えた。
「やっぱりな」
「レーヴァティンはだね」
「戦わない相手に向けるものじゃない」
「そうだよね」
「この世界を救う為の剣だぞ」
 だからだというのだ。
「武器を持たない相手に向けるものか」
「この戦だってね」
「浮島を統一してその力で海の魔神を倒す為だ」
「だったらね」
「一般市民を攻撃するとかな」
「論外だね」
「何があってもな」
 それはというのだ。
「するものじゃないだろ」
「そういうことだね」
「だからな」
 久志はさらに言った。
「ロードス島を攻める時もな」
「一般市民は攻撃しないね」
「島全体を攻撃してもな、けれどな」 
 難しい顔になってだ、久志は話した。
「それがな」
「どうかだね」
「ああ、島全体を攻めるならな」
「一般市民も巻き込むね」
「要塞攻める時も退避させろって言ったな」
「あの時は要塞の司令官が聞いてくれてよかったわ」
 双葉が言ってきた。
「本当にね」
「ああ、それで戦う前にな」
「一般市民は全員要塞から出たから」
「安心して戦えたな」
「あの要塞の司令官は出来た人だったわね」
「戦死したけれど復活させたらな」
 どうするか、久志は双葉に応えて話した。
「その時はな」
「重く用いるわね」
「かなり勇敢に戦って采配もよかったしな」
「それで心もしっかりしているから」
「だからな」
 それだけにというのだ。
「あの司令官はな」
「重く用いるわね」
「そうするな、それじゃあロードス島も」
「攻める時は」
「一般市民への退避を話すか」
「そうするわね」
「まあ一般市民を盾にして攻めてみろとか言ってきたら」
 その場合のこともだ、久志は話した。 
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