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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその六

「最早です」
「日本も今度はやな」
「奇計はないな」
「はい、精々移動要塞は高度を調整出来るので」
 このことは巴も頭にあって言えた。
「それを使う位ですが」
「ほなや」
 羅は巴のその話を聞いて考える顔になって述べた。
「この蓬莱に上から奇襲を仕掛ける」
「あとは雲の中に入り」
「待ち伏せやな」
「それ位でしょうか」
「雲の中におっても斥候さえ出してたらわかるわ」
 あっさりとだ、施は述べた、
「簡単にな」
「そうですね」
「それは欠かさん、戦力が少ないとどうしても頭使う」
 施も六将星の一人だ、戦のことはわかっている。それでそうした相手がどう戦うのかも考えて言うのだった。
「そやから待ち伏せもな」
「しようとしますね」
「そや、それでな」
「この度はですね」
「そうしてくるかもしれんが」
 それでもというのだ。
「こっちはそれならや」
「斥候を多く出して」
「見破る、海上もな」
「海もですね」
「そや、空も海もや」
 その両方でというのだ。
「しっかり見てや」
「そのうえで、ですね」
「日本に向かう、伏兵が待ち伏せしてても」
「見破れば終わりや」
 羅は施に応えて言った。
「それでな」
「そや、それでな」
「物見を出し続けて」
「ことにあたるんや」
 施は羅に顔を向けて言った。
「是非な」
「そうすればな」
「日本はもう手がない」
「こっちと正面から戦うしかない」
「それで問題は」
 巴がまた軍師として言ってきた。
「日本の星の方々です」
「多いからな、とにかく」
「はい、南洋では一騎打ちと軍を率いての采配に分かれて戦い」
「それが勝因の一つになったな」
「そうなってますので」
 それでとだ、巴は施に話した。
「一騎打ちは避ける」
「そうするな」
「ですからここは」
 是非にとだ、巴は己の考えを述べ続けた。
「こちらの星の方々はです」
「どないしろっていうんや」
「後方にいてそれぞれの軍勢の采配に専念しましょう」
 これが巴の考えだった。
「そして星の者同士の戦いはせず」
「軍勢と軍勢の戦に」
 それにというのだ。
「持ち込んで、です」
「数で押し切るか」
「そうしましょう」
 是非にと言うのだった。
「そうすればです」
「勝てるな」
「確実に」
「一騎打ちが出来んのは残念やが」
 呉は巴の考えに実際に残念そうに述べた。
「それでもやな」
「勝つ為には」
 まさにとだ、巴は呉にも話した。 
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