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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその五

「こうしていく」
「お二方はですね」
「あの二人の絶大な力も封じてな」
「それと共にですね」
「戦うんや、こっちが有利やのは」
「神星の方が三人おられる」
「僕と綾乃ちゃん、中里がな。このことがな」 
 何といってもというのだ。
「日本の強みや、ほなその強みをな」
「活かして」
「そうして勝つんや」
「奇計と合わせて」
「そういうことや、やっぱりな」
「日本の武器は星の者ですね」
「僕等や、六十万の兵はほんまに強いけど」
 募集に応じてきて来た者達からこれはという者を選んでそのうえで厳しい訓練と軍律で鍛えてきた、その質には自信がある。
「日本の強みはな」
「星の者だよな」
 幸田が芥川に笑って応えた。
「もうな」
「そや、星のモンの数はダントツや」
「そして神星は三人」
「これで勝ち方が出来てる」
 星の者達の力を使ってというのだ。
「それでや」
「この度もやな」
「そうして戦ってくで」
「ほなな」
 こう話してだ、そしてだった。
 日本は中国との戦の用意を進めていった、琉球で英気を養ってきただけに士気は充分過ぎる程高かった。その為動きはよかった。
 日本と戦う中国の全軍が乗り込んでいる移動要塞崑崙は琉球に向かってきていた、そうして琉球の北西に来ていたが。
 ここで物見から戻ってきた曹が羅と施に話した。
「日本の移動要塞は琉球を出てです」
「そしてやな」
「こちらに向かってきています」
 こう羅に答えた。
「そうしてきています」
「そうか、ほなな」
「こちらもですね」
「向かう」
 日本の移動要塞である蓬莱にというのだ。
「そしてな」
「戦おうか」
 施が羅の言葉に彼の横から言った、二人並んで棟梁の座にいるのだ。その座だけでなく部屋自体が中国のものだ。
「いよいよ」
「そや、この大軍でな」
「正面からやな」
「ぶつかってな」
 そうしてというのだ。
「一気に飲み込む」
「その感じで戦うな」
「今回は台風もない」 
 羅は日本と南洋の戦いから話した。
「連中がどう奇策を使うか」
「そのことをやな」
「考えてるが」
「あの台風は見事やったけどな」
「今度は台風がない、それでどうして我等と戦うか」
「手がないか」
「正直我には思いつかん」
 羅は言い切った、頭は悪くないがあくまで六将星の一人である彼はこう言った。
「どうもな」
「それは自分もやな」
 施もだった、そしてこの場にいる中国の星の者達もだった。軍師であり中国で最も策略を得意とする巴もだった。
 どうかという顔になり羅と施に述べた。 
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