レーヴァティン
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第百四十九話 内政を整えその七
「それでな」
「実行は街を囲んでか」
「それからになるわ」
「そういうことだな、あとビザンチウムは百万の人口があったな」
久志はその街の堅固さだけでなく人口の話もした、この街にはそれだけの数の者がいるということをだ。
「ローマ程じゃないけれどな」
「あそこも大都市やで」
「この世界屈指のな」
「そのビザンチウムを手に入れたらな」
「冗談抜きで大きいな」
「あそこを東方統治の拠点にも出来るで」
手に入れることが出来ればというのだ。
「その時はな」
「地中湖と黒湖の交易、東方と西方の陸の貿易の中心地でか」
「あの辺りの中心地でもあるさかいな」
それでというのだ。
「経済的利益も大きいけどな」
「政からもな」
「大きいか」
「そや、ほんまにな」
実際にというのだ。
「そやから絶対にな」
「あの街はか」
「手に入れるで、それもな」
「出来る限り無傷でか」
「あの街の繁栄も手に入れるんや」
貿易で潤っているその街をというのだ。
「絶対に、それがこっちの大きな力になるからな」
「わかったよ、しかしな」
「しかし?」
「実は俺もう騎士団領か王国と戦うこともな」
「考えてたか」
「連合王国との戦の後にな」
「そやったか」
「けれどな」
「ああ、それよりもな」
美奈代はすぐに答えた、久志の今の言葉に。
「考えたんだよ」
「今騎士団領や王国と戦うよりもやな」
「地中湖沿岸をな」
「完全に手に入れた方がええな」
「黒湖の方もな」
「そっちの方が楽やしな」
「それに国力もつけられてな」
そしてというのだ。
「騎士団領とか王国と戦うのもな」
「楽になるな」
「ああ、今どっちかと戦ってもな」
騎士団領と王国のどちらか一方と、というのだ。
「敵の敵は味方でな」
「一方と戦ったらな」
「もう一方と手を結んでな」
「両方相手にする事態も有り得るって思ってな」
「それでやな」
「両方相手にしたらな」
この浮島の大国二国を同時にというのだ。
「正直今の帝国でもな」
「勝ててもな」
「かなり国力使ってな」
「ボロボロになるな」
「お互いな、それで領土を併合しても」
「疲弊した国が疲弊しきった国を飲み込む」
「それじゃあ何にもならないからな」
だからだというのだ。
「それでな」
「今はやな」
「この二国と戦うよりもな」
「地中湖沿岸部をやな」
「掌握しようって思ったんだよ」
「賢明な判断やな」
「強い奴は後回しに出来たらしたらいいんだよ」
久志は美奈代に簡潔な声で述べた。
「その時に応じてな」
「そういうことやな」
「まあ強くなりそうな奴を強くなる前に叩く場合もあるけどな」
「それは予防戦争ですね」
夕子は久志が言った戦について言ってきた。
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