レーヴァティン
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第百四十三話 皇帝の降伏勧告その八
「いいと思います」
「あってか」
「やはり被害者の方々のことを思うと」
「遺族の人達のな」
「死刑もです」
「当然だよな」
「何故人権を言う人は」
夕子は眉を顰めさせそのうえでさらに話した。
「加害者の人権やモンスタークレーマーの意見を聞いて」
「被害者の遺族の人達の心は気にしないでな」
「大勢の人の意見や公共の意見を無視するのか」
「それな、自己満足だからだろ」
「だからですか」
「それでな」
「自分は人権を守っている、人の意見を聞く」
夕子は自分からこの言葉を出した。
「そうした自分だとですか」
「ありたいとか思っていてな」
「それで、ですか」
「除夜の鐘が五月蠅いとか言う馬鹿の意見を聞いてな」
そうして寺側は百万円を払う様に言って寺側は除夜の鐘を止めた、その地域の正月の風物詩は一人の文句で終わったのだ。
「風情を楽しむ多くの人の意見はな」
「無視されますね」
「それで人三人殺した屑がな」
「生きていきますね」
「俺の税金でのうのうとな」
「やはりおかしいですね」
「そんな世の中はな」
それこそとだ、久志は強い声で言った。
「どうかしてるだろ」
「やはりそうですね」
「それで尼さんがな」
小説家でもあるこの尼僧がというのだ。
「死刑廃止を言うのは意見でもな」
「そこで、ですね」
「被害者の遺族の感情とか考えないでな」
それも一切、というのだ。
「それでな」
「そのうえで、ですか」
「ああ、死刑言う馬鹿共とかな」
その様にというのだ。
「言うんだよ」
「流石に批判受けましたね」
「他の人を馬鹿とか坊さんが言うのもどうかだしな」
「自分と意見が違うだけで」
「俺はこの世界では政をやってるし」
「ならですね」
「そんなことはしないさ」
絶対にと言うのだ。
「クレーマーの意見は無視だ」
「少数の人の意見は聞いてもね」
淳二がまた言ってきた。
「それでもね」
「モンスタークレーマーっているしな」
「そうした連中の言葉はね」
「聞いてもな」
「仕方ないよね」
「もう頭おかしい奴の意見はな」
それこそというのだ。
「聞いても仕方ないんだよ」
「自分のことしか考えてないしね」
「それで人を誰でもよかったとか言って殺す奴もな」
「頭おかしいから」
「死刑だよ」
それで始末してしまうというのだ。
「凶悪犯もな」
「キチガイはキチガイってことだね」
「キチガイの意見が通ったら皆が迷惑するんだよ」
「他の皆がね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「それでな」
「それでだね」
「ああ、もうな」
それこそというのだ。
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